本田が肌で感じたイタリアの現実 伝統のカルチョは変わるべきなのか?

 

列強国から取り残された国

 イタリアは、実際に世界の列強国から取り残されつつある。昨年のブラジルW杯では1次リーグで敗退。かつて世界最強リーグと呼ばれたセリエAもスタジアムの集客減少などでクラブの財政難が続く。イングランド、ドイツ、スペインに先を越され、欧州内での競争力は失いつつある。今やスーパースター不在のリーグに凋落(ちょうらく)してしまった。
「ただトレンドを追うのが正しい とは限らないですけど、トレンドを知った上で、自分たちのサッカーを貫くなら、貫く。ある程度、新しいものを取り入れて行くっていう勇気も恥ずかしいことじゃないし、でもイタリアの文化は、新しいものをあまり取り入れないところが、良さでもありますからね。まあそこは難しいところですね」
 堅守速攻という土台を生かしつつ、ポゼッションという流れも取り入れるべきなのか。今季開幕直後に7試合6得点2アシストと好調だった本田のゴールの大半は、カウンターから生まれたものだった。長い間独特なサッカー文化を育んできたイタリア。そして、ミランは本田の提言通りに自らのアイデンティティーを変えられるのだろうか。岐路に立たされたカルチョの国に一石を投じようとしている。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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