侮辱発言から1カ月、浦和の森脇がACL8強導く決勝弾 「命を削っても戦いたい」と男泣き

2試合出場停止、済州との第1戦で失点に絡む

 森脇にとって、5月は激動の1カ月だった。4日の鹿島アントラーズ戦で相手MF小笠原満男ともみ合いになり、「口が臭い」と発言したが、これがブラジル人MFレオ・シルバに向けたものだと鹿島の選手たちに受け止められた。人種差別につながりかねない言動だと鹿島はアピールし、Jリーグから事情聴取を受けた。結果的に、森脇は侮辱的な言動があったとしてリーグ2試合の出場停止処分を受けた。

 それから24日の済州との第1戦まで、公式戦に出場しておらず、その試合では失点に絡むプレーもあった。だからこそ、2戦合計3-2で勝利する決勝ゴールを決めたこの試合後には、思いをあふれさせるように言葉をつないだ。

「本当にいろいろな方に迷惑をかけてしまった。この素晴らしいレッズのサポーター、偉大な浦和レッズというクラブと、大好きな家族とともに力強く生き続けたいという思いがあった。その気持ちだけで、今日も頑張ろうと。いろいろな思いが頭の中を駆け回った。多くの人にサポートされて今に至っていると思うので、たくさんの恩返しをしていかなくてはいけない」

 そして、「信じてくれている人は僕の周りにたくさんいた。とにかくピッチに立てば、浦和レッズのため、サポーターのために全力でやりたい」という思いを乗せたゴールによりヒーローインタビューを受けると、浦和のゴール裏からは森脇のチャントが歌われた。普段なら森脇のヒーローインタビューは“お約束のブーイング”でスタートするのが常だが、この日は違っていた。

「ブーイングでも嬉しいけど、チャントを歌ってくれて。その瞬間はヤバかった。このチームにいられる限り、命を削っても戦いたい」

 キャリアのなかでも様々な思いに襲われた1カ月を終え、5月の最終日となったこの日の決勝ゴールは、森脇にとって再出発の象徴と言えるものになった。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty

 

 

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