サッカー界で深刻な「16.4」 8年前からまさかの大幅ダウン…森保Jが背負う結果以上の“役割”

国内最大手の調査会社「インテージ」が調査
来年6月に北中米で開催されるFIFAワールドカップ2026の組み合わせ抽選会が現地時間12月5日に行われ、日本代表の相手はオランダ、チュニジア、欧州プレーオフBの勝者に決定した。サッカー熱が高まることが必至な来年に向けて、国内最大手の調査会社「インテージ」は、幅広い年代を対象にさまざまな角度でリサーチ。“関心度”から日本サッカー界の現状を紐解く。(取材・文=インテージ・中川大輔)
【PR】DAZNを半額で視聴可能な学生向け「ABEMA de DAZN 学割プラン」が新登場!
◇ ◇ ◇
「最高の景色を」を合言葉に来年のW杯に臨む日本代表。FIFAランクは18位に位置し、組み分け抽選会では史上初めてポット2入りを果たした。選手たちの大半はヨーロッパの主要リーグでレギュラーとしてプレーし、10月14日の国際親善試合では王国・ブラジルに3-2で勝利を収めた。「W杯優勝」を目標に掲げる森保ジャパンは“史上最強”の呼び声高く、今大会のダークホースとして目されている。
だが実力に反比例して、代表への関心度は下がっていることがデータでは顕著に表れた。市場調査会社インテージは、2025年9月に約1万人を対象にスポーツに関する調査を実施。「日頃から関心を寄せているスポーツ」という質問に対し、サッカー日本代表と答えたのは15.8%。同様の調査を行った2018年夏は22.8%あった。2018年はロシアW杯直後だったこともあるとはいえ、7ポイントダウンは明らかに関心度が低下している。
さらにサッカーを取り巻く環境の変化も、関心低下を助長している。直近1年以内に地上波などのテレビで代表戦を見た人は2018年には30.2%だったのに対し、2025年はわずか13.8%と半減。一気に16.4ポイントも低下している。
今回の2026年北中米W杯最終予選はホーム試合は地上波で放送されたものの、アウェーの試合はDAZNでのみ配信となった。9月に行われた米国遠征では、メキシコ戦は地上波放送があったが、アメリカ戦はBS放送のみ。U-NEXTは共に配信した。視聴環境の変化も起因し、地上波でしか見ていなかったライト層の関心が大きく低下していることが見て取れる。
森保監督は代表活動の合間を縫って、講演会やサッカー教室など全国各地に飛び回り、「共闘の輪」を広げようと活動している。だが日本国民の関心事にするには、リーチできていないことが分かる。
Jリーグは確実に裾野は広がっている
だが、決してサッカー人気がなくなったわけではない。
「あなたは関心があるスポーツの現地観戦に行きますか?」
この問いに対し、数あるスポーツの中で、最も現地で観戦した率が高かったのがJリーグだった。Jリーグを「最も関心がある」と答えた人の61%が、過去1年以内にスタジアムで観戦。同様に他の“最も関心があるスポーツ”の現地観戦率を見ると、Bリーグ(バスケットボール)は55%、プロ野球は44%、SVリーグ(バレーボール)は30%。いずれもJリーグの現地観戦率には届かない。Jリーグは関心層の中から“実際にスタジアムへ足を運ぶファン”へ転換する割合が最も高いスポーツであり、コアファン層の強さが際立っていると言える。
さらに注目すべきは、この数値が近年で伸びた点にある。2018年時点では52%だったJリーグ関心層の現地観戦率は、2025年には61%へと9ポイント増加している。地域密着を掲げ、33年の歴史を積み上げたJリーグは、J1〜J3まで全60クラブに増加。来年からは滋賀県全県をホームタウンとするレイラック滋賀のJ3昇格が決定。これで「J空白県」は、福井、三重、和歌山、島根の4県のみになった。全国どの地域でも観戦したいと思った時に、身近にある存在となりつつある。
コアファンだけではなく、ライト層へのアプローチも実を結び始めている。日本全体で見ると、“最も関心があるスポーツ”としてJリーグを挙げた人の割合は、2018年は3.4%、2025年も3.5%とほぼ変わっていない。それでも2025年のJリーグ年間総入場者数は過去最多1350万3210人を記録。1試合あたりの平均入場者数はJ1では2万1246人、全体の平均でも1万1000人を上回っている。
Jリーグが主導となって、コロナの影響が少なくなった2022年から主に国立競技場での開催のゲームで無料招待のキャンペーンを定期的に実施。地上波でCMも放送するなど、ライト層が現地観戦する機会を創出してきた。2026年夏には悲願だったシーズン移行に踏み切ることもあり、さらに露出が増えていくことが予想される。
かつては“非日常”の日本代表人気が高く、“日常”のJリーグの人気がないことが課題だった。だが今ではこの現象が逆転。サッカー界がより成熟した証とも言えるが、さらなる発展を目指すには、ライト層を巻き込むための“イベント”が必要となる。
来年は2月のミラノ・コルティナ冬季五輪を皮切りに、3月には野球のWBC、そして6月には北中米W杯が行われるスポーツイヤーとなる。そしてW杯後の8月には、Jリーグも“第2の開幕”とも言える念願のシーズン移行を実施する。
この千載一遇のチャンスを大きなムーブメントに繋げられるか。日本代表への関心度が低下している中、日本国民を振り向かせることができるか。結果と共に、森保ジャパンに課された使命は大きい。
株式会社インテージ
株式会社インテージは1960年に創業。インテージグループとしてアジアNo.1*であるマーケティングリサーチ/インサイト事業に加えてマーケティングソリューション事業を展開し、9か国の海外拠点とともに国内外の企業・団体のマーケティング活動を総合的に支援している。事業ビジョンとして“Create Consumer-centric Values”を掲げ、深い生活者理解とデータ活用の高度化による顧客企業支援を通じ、生活者の幸せの実現を目指している。
*「ESOMAR’s Global Top-50 Insights Companies 2025」に基づく(グループ連結売上高ベース)


















