子どもたちが「感動してくれた、良かったなと」 終了間際に悲劇も…名門校監督の願い

富山第一の加納靖典監督「たとえ相手が優勝候補だとしても、勝たなければ」
富山第一(富山)は1月2日、フクダ電子アリーナで行われた第104回全国高校サッカー選手権大会で、大津(熊本)に1-2で敗れた。優勝候補を相手に先制するなどあと一歩まで追い詰めたが、同点の後半アディショナルタイムにPKを献上。加納靖典監督は「これをゴールにしたくないという気持ち」と語った。
【PR】DAZNを半額で視聴可能な学生向け「ABEMA de DAZN 学割プラン」が新登場!
2013年には優勝経験もある富山第一だが、「僕らはどうしても主戦場がプリンスリーグの2部で、プレミアリーグの相手と常にやっているわけではないので」と加納監督。コンパクトな守備で2カテゴリー上の相手を苦しめ、「前半はよくうまく慣れながら耐えながら、ゲームを進めてくれたかな」と総括した。
後半27分にはFW山田聖心(3年)のゴールで先制したが、同31分に横浜F・マリノス内定のDF村上慶(3年)に同点ゴールを許す。そして同AT、相手ペナルティーエリア内でMF岩崎天利(3年)を倒してしまいPKを献上。GK堀川昇栄(3年)がコースを読んだが、手の先をすり抜けると同時に試合終了の笛が鳴った。
観るものに感動を与えるような好ゲームに、スタジアムからは大きな拍手が送られた。それでも加納監督は、「2つあって。僕らはやっぱり優勝しにここに来ているので。たとえ相手が優勝候補だとしても、勝たなければいけなかった。そういうクラブですから」と目をうるませ、悔しさを隠そうとしなかった。
「もう1つは、僕らのパーパスというか活動目的というのが、サッカーを通じて幸せをいろんな人に提供する。そして豊かなスポーツ文化を作るというところが、僕らのパーパスとしてある。(感動したと)そう言っていただけるのであれば、きょうの試合はすごく彼らにとって良かったのかなと思っています」
柳沢敦(元鹿島アントラーズ)、中島裕希(カターレ富山)、西村拓真(町田ゼルビア)、小森飛絢(浦和レッズ)ら多くのJリーガーを輩出している富山第一。加納監督は、「このなかから代表とかプロに行く選手が生まれるような仕組み作りというのを、もっともっと整えていく必要がある」と力を込める。
「これをゴールにしたくないという気持ちがすごく強くて。こういうのを見た下級生だったり、きょうの試合を見て感動してくれた、良かったなと思ってくれる子どもたちがいるのであれば、それを未来の富一につないでいきたいなという気持ちがあるので、まだまだだぞというところも伝えなければいけない」
そして、3年生へのねぎらいの思いもあふれた。「学校のなかで先生に叱られて、僕も叱って『おい何やってんねん』とか。遠征先で脱走していくやつもいたし(笑)」。手はかかったが、「だけど純粋にサッカーが好きで、僕らに何を言われても厳しい要求をされても、めげずに食らいついてきた」と話す。
入学時にはルーキーリーグが2部に降格していたが、この世代の力で1部へと復帰。さらには、今シーズンはプリンスリーグ2部で1位となって、こちらも1部への昇格を掴んだ。「お疲れ様という気持ち」と語った加納監督だが、この日の名勝負はきっと、これからの富山第一の躍進につながっていくに違いない。
(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)




















