W杯イヤーに注目、ブレイク寸前のタレント9人 識者が厳選…W杯滑り込み期待の20歳ドリブラー

2026年W杯に滑り込み期待のヤングタレント
2026年が幕を開けた。今年は6月に北中米ワールドカップが開催されるW杯イヤー。今回は本大会で森保ジャパンに滑り込む可能性のある若き才能9人を厳選した。
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2003年以降で、すでに2度の招集歴のある佐野航大(NECナイメヘン)や最新の招集メンバーである後藤啓介(シント=トロイデン)、佐藤龍之介(ファジアーノ岡山→FC東京に復帰)、北野颯太(ザルツブルク)などは対象外とした。主力にさらなる怪我人も出ている中で、ここから半年間での若手の突き上げが、躍進の大きな力になってほしい。
小杉啓太(フランクフルト)はA代表に未招集の若手では最も有力な一人と言っても過言ではない。U-17W杯でキャプテンを務めた左サイドのファイターは、湘南ベルマーレのアカデミーから北欧に渡り、スウェーデン1部のユールゴーデンでみるみる評価を上げた。小柄ながらセンターバックもこなせるほどの対人能力と爆発的な推進力を武器に躍動。650万ユーロ(12億円)という移籍金で、5大リーグ進出を果たした。
森保ジャパンでは左ウイングバックが主戦場になるだけに、主力の三笘薫と中村敬斗、FWも兼ねる前田大然に加えて大ベテランの長友佑都もおり、かなり厳しい競争になることは間違いないが、堂安律も同僚となるフランクフルトで早期に出場チャンスを掴むことがあれば、森保一監督にも大きなアピールになるだろう。同ポジションでは、その小杉が世界に名前を売ったU-20W杯を怪我で欠場した高橋仁胡(セレッソ大阪)もJリーグの終盤戦に復調してきており、小杉にも負けないぐらいの奮起を期待したい。
今年だけでも怪我人が多発したセンターバックでは、J2ベスト11に輝いた市原吏音(RB大宮アルディージャ)が候補の筆頭か。ネックとなるのはプレーオフで惜しくも昇格を逃した大宮が、J2とJ3が合同で行う“百年構想リーグ”をステージに戦うことだ。森保監督は選手個人の資質に加えて、戦っているステージのレベルも重視している。市原自身はU-22代表の活動などで去就に関する明言をしていないが、具体的なオファーの有無も含めて、どういう決断をしていくか。ポテンシャルではその市原にも匹敵する喜多壱也(レアル・ソシエダ)は、スペイン2部に所属するBチームで着実に経験を積んでいるが、最短でA代表に食い込むためにはトップ昇格はマストだろう。
中盤ではルヴァン杯のニューヒーロー賞に輝いた中島洋太朗(サンフレッチェ広島)が、ポテンシャル通りの本領を発揮していけるかどうか。もともと佐藤にも匹敵する才能として期待されたが、今年は怪我に泣かされた。ボールを扱う技術、視野の広さ、瞬間的なアイデアなどは同世代で卓越しており、広島の環境で鍛えられた守備強度のベースもある。森保監督がボランチの一枚に、何か違いを生み出せる個性を求めるなら、実績などを飛び越えて滑り込んでもおかしくはない。クラブは新監督のもとリスタートを切るが、良いコンディションで“百年構想リーグ”の開幕に入っていきたい。また、いわきFCで大きな成長を遂げた石渡ネルソン(セレッソ大阪)は、C大阪への復帰が決定。そのスケール感あるプレーは、A代表で異彩を放つかもしれない。
もう一人、大きな飛躍を期待できるのが福井太智(アロウカ)だ。サガン鳥栖のアカデミー育ちである福井は、若くしてポジショニングのセンスや機動力を備えていたが、バイエルン・ミュンヘンのBチームから始まり、ポルトガルのポルティモネンセ、アロウカと渡り歩きながら、プレー強度を高めてきた。ボランチとしてはサイズは大きくないが、ボールを奪う能力は高い。また攻撃的なポジションもできるので、ポリバレントな役割をこなすこともできるだろう。現在ポルトガル1部で18位のアロウカは、中盤の主力に定着している福井を安売りしない様子だが、A代表へのアピールにはもうワンステップほしいところだ。
イチオシは海外クラブと交渉中の齋藤俊輔
アタッカーでは塩貝健人(NECナイメヘン)の台頭ぶりが目を引く。今シーズンのオランダ1部では全て途中出場ながら7得点を記録しており、しかも1つ1つのゴールに大物感が漂う。良くも悪くも落ち着いた選手が多い中で、はっきりと野心的なコメントを発するメンタリティも、代表活動でプラスに向くはずだ。FWは上田綺世(フェイエノールト)を筆頭にある程度、有力候補が固まってきた感もあるが、何しろ結果がものを言うポジションだ。半年間あれば、どうにでもアピールは可能だ。
その意味では坂本一彩(ウェステルロー)にも、さらなる奮起を期待したい。動き出しの連続性が高く、裏抜けはもちろん、ドリブルからシュートに持ち込むこともできる。現在のFW陣にいないタイプだ。一番は最前線で起用されることだが、南野拓実(モナコ)の負傷離脱などで不安が増しているシャドーからでも、得点力を発揮することはできるだろう。ただし、ここまでベルギーリーグ3得点3アシストという結果はアピール十分とは言えず、少なくとも二桁に届くようなペースでゴールを積み上げたい。
筆者が最後の9人目として、イチオシしたいのが齋藤俊輔(水戸ホーリーホック→海外クラブへの移籍交渉中)だ。J2優勝を果たし、念願のJ1初昇格をつかんだ水戸においても、20歳のドリブラーのインパクトはかなり大きかった。左サイドをメインに、シーズン8得点だったが、主力に定着したのが5月になってからだったこと、U-20W杯で秋に3試合離れたことを考えれば、二桁得点並みの評価に値する。また守備のタスクもしっかりとこなした上で、攻撃面に違いを出せることが、早期のA代表入りを可能にする要素だ。ポジションやキャラクターとしては斉藤光毅(クイーンズ・パーク・レンジャーズ)などと重なるところもあるが、競争を活性化する存在としても楽しみだ。
また所属クラブでの出場機会などから現時点では推しにくいが、爆発的なスピードを武器とする横山歩夢(ゲンク)あたりも、本来は有力候補に入れていきたいところだ。そのほか、来年1月のU-23アジア杯に出場する“ロス五輪世代”の選手などは、大会の活躍がそのままA代表へのアピールになる部分もあるので、今いるカテゴリーに関わらず、自分の価値を上げる機会にしていってもらいたい。
(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)

河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。



















