熾烈なポジション争い「知った上で入学した」 強豪校1年生が守護神候補に名乗り「プロに近づける」

流通経済大柏GK大泉未来
プレミアリーグEAST第22節、流通経済大柏vs横浜FCユースの一戦。最終戦において流通経済大柏の1年生GKがトップデビューとプレミアデビューを飾った。
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日本人の父とナイジェリア人の母を持つGK大泉未来は、180センチとサイズは大きいわけではないが、2010年3月27日生まれと中学3年生に近い早生まれで、これからより身長が伸びる可能性を持っている。
さらにフィジカルは高校1年生の早生まれとは思えないほど屈強でパワー満点で、ずば抜けた身体能力を持ち、鋭い反応から見せるセービングとハイボール処理のスケールは大きい。
今年のトップチームは186センチのずば抜けた跳躍力を持つGK藤田泰土と、元U-17日本代表の187センチGK丸山ジェフリーの2人の3年生が激しいポジション争いを繰り広げており、大泉は3番手だった。だが、最終戦前の火曜日に突然スタメンを告げられた。
「このチャンスをモノにして、選手権につなげたいという気持ちになりました。それに実力派揃いのGKたちを代表してピッチに立つ以上、彼ら以上のパフォーマンスを出さないといけないし、しっかりチームの勝ちにこだわってやらないといけない。甘い気持ちは一切持ってはいけないと思って臨みました」
しっかり準備をして臨んだこともあり、大泉は初スタメンとは思えない堂々としたプレーを見せた。キックミスなど細かいミスはあったが、それでも攻撃力のある横浜FCユースを1点に抑えて最終戦を勝利に導いた。
試合後、南雄太GKコーチからすぐに指導を受けて真剣に耳を傾け、「ポジショニングのところで、ゴールポストに寄りすぎるというところがあるので、そこをしっかり修正しようと言われました」と次へ活かす課題を把握する貪欲な姿勢を見せていた。
「(藤田、丸山の)2人ともシュートストップがずば抜けて上手いので、常に見て真似をしていますし、僕は中学の時から流経柏のGKのレベルの高さと競争の激しさを知った上で入学したので、どんどん学んでいって、かつ割って入れるように頑張りたいと思っています」
中学時代は下部組織にあたるクラブ・ドラゴンズ柏U-15でプレー。流経柏高グラウンドで練習するとあって、いつも高校の選手たちの練習や試合を見て来た。
「その競争から逃げよう、他のところに行こうとは一切考えていませんでした。むしろここに入ればプロに近づけられる大きな一歩になると思いました」
覚悟と自信を持って入学し、1年生ながら守護神争いに名乗りを上げる存在となった。「選手権は狙っています」とはっきり言葉にする彼は、「今本当にサッカーが楽しいし、プロになりたいという思いがあります」と充実ぶりも口にする。
「これまでいろいろな国に住んできましたけど、生まれて7歳までいたナイジェリアの次に長く住んでいる日本の文化や環境、サッカー、学校生活が本当に楽しいです」
母の母国であるナイジェリアで生まれ育ち、父親の仕事の関係で7歳からフランス、イギリス、韓国、ザンビア、ボツナワで過ごして、小学6年生の2021年に千葉県松戸市にやって来た。
当時、日本語はほとんど話せなかったが、「周りの友達が使っている言葉を聞いて、積極的に話したり、意味やどう表現するのかを聞いたりして学んでいきました。中1の最後らへんまでには普通に話せるようになりました」と、高いコミュニケーションスキルと陽気な性格を駆使して、すぐに馴染んだという。
「日本語、英語がメインで、それ以外はフランス語とナイジェリア語、ボツワナ英語がちょっと話せます。僕の中でいろんな文化や価値観が混ざっていて、ちょっと表現するのが難しいんですけど、日本の文化にプラスして、これまでの国の文化も混ぜ込みながら、今は日本の文化を楽しんでいるので、知見は凄く広がっています」
GKとしてだけでなく、人間としてもスケールとポテンシャルが大きい大泉。明るいキャラクターとサッカーに対する情熱と真摯な姿勢で、その名前のように未来を切り開いていくために。まずは選手権の舞台に1年生で立つことを夢見て自己研鑽をしていく。
(安藤隆人 / Takahito Ando)
安藤隆人
あんどう・たかひと/岐阜県出身。大学卒業後、5年半の銀行員生活を経て、フリーサッカージャーナリストに。育成年代を大学1年から全国各地に足を伸ばして取材活動をスタートし、これまで本田圭佑、岡崎慎司、香川真司、南野拓実、中村敬斗など、往年の日本代表の中心メンバーを中学、高校時代から密着取材。著書は『走り続ける才能達 彼らと僕のサッカー人生』(実業之日本社)、早川史哉の半生を描いた『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』、カタールW杯のドキュメンタリー『ドーハの歓喜』(共に徳間書店)、など15作を数える。名城大学体育会蹴球部フットボールダイレクターも兼任。




















