号泣の助っ人…バー直撃に呆然「それがサッカー」 初の海外挑戦「日本に感謝しかない」

徳島のトニー・アンデルソン【写真:徳原隆元】
徳島のトニー・アンデルソン【写真:徳原隆元】

徳島のアンデルソン「サポーターに恩返しをできず、期待に応えられず悔しかった」

 徳島ヴォルティスは12月13日、J1昇格プレーオフ決勝でジェフユナイテッド千葉・市原に0-1で敗れた。後半14分にクロスバー直撃のシュートを放ったFWトニー・アンデルソンは、試合後にサポーターの目の前で号泣。「サポーターに恩返しをできず、期待に応えられず悔しかったです」と胸の内を明かした。

【PR】DAZNを半額で視聴可能な学生向け「ABEMA de DAZN 学割プラン」が新登場!

 7日に行われたプレーオフ準決勝では、後半37分に劇的な同点弾を決め、決勝進出の立役者となっていたアンデルソン。この日も右目の下を腫らしながらも、気迫を見せたプレーで攻撃を牽引。しかし、FWルーカス・バルセロスの浮き球パスにダイレクトで合わせたシュートは、無情にもクロスバーに弾かれた。

「もちろん決めたかったですが、ただ悔いとか後悔があるかと聞かれたら全くなくて、自分が持っているものを全て出しました。サッカーというのはそういうものだと思っているし、良いときと悪いとき、決められるときと決めれないときもあると思うので、それがサッカーだと思います」

 後半終盤に訪れた度目の決定機も決められず、サポーターへ挨拶に向かうと涙が止まらなくなった。「悔しさですね。今年ずっとみんなで戦ってきたし、遠いところまで足を運んでくれたサポーターに恩返しをできず、期待に応えられず悔しかったです」。移籍1年目ながら、チームへの思いは人一倍強かった。

 それもそのはず、27歳にして初めてブラジル国外に移籍する新たな挑戦の1年だったからだ。4月26日のカターレ富山戦でデビューすると、リーグ戦では切り札としての途中出場が続いた。それでも腐らずにチームに貢献し、9月28日の富山戦で初先発。最後は8試合連続で先発と、レギュラーの座を射止めた。

「僕がスタメンになる前からチームはずっといい状態だったと思いますし、僕が入ったからといって、すごく変わったと思っていなくて。全てチームのおかげというか、みんな戦ったと思います。来年に関しては、本当にまだ何も分からない状態なので、全てエージェントに任せてあとはリラックスしたいです」

 初の海外挑戦に不安もあったが、「徳島という街、徳島というチーム、サポーター、みんな僕を温かく迎え入れてくれたので、日本に溶け込むリズムとかルーティンとか、すごくスムーズでした」と振り返る1年。「いろいろなことを学べたし、本当に日本には感謝しかないです」と語り、スタジアムを後にした。

(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)



page 1/1

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング