負傷交代に涙「こんな形で」 松葉杖で語った無念…昇格逃し「言いたいこともあります」

キャプテンマークを巻いた渡大生【写真:徳原隆元】
キャプテンマークを巻いた渡大生【写真:徳原隆元】

徳島の渡大生「言いたいこともありますけど、もっと本気でやらないと駄目」

 徳島ヴォルティスは12月13日、J1昇格プレーオフ決勝でジェフユナイテッド千葉・市原に0-1で敗れた。ゲームキャプテンを務めたFW渡大生は、後半9分に左足首を痛めて無念の負傷交代。ピッチを後にする際に悔し涙を流した。試合後に取材に応じ、「こんな形で離れるのは本望ではないので」と思いを語った。

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 2016、17年に徳島でプレーし、J1のサンフレッチェ広島へとステップアップした渡。大分トリニータ、アビスパ福岡でのプレーを経て、2023年に古巣へと戻ってきた。今年11月には徳島の選手としてリーグ通算49得点目を記録し、クラブ歴代最多得点記録を更新。この日も間違いなくチームの精神的支柱だった。

 しかし、前半を0-0で折り返し、後半から攻勢をかけようかというタイミングでアクシデントが襲う。左足首を痛めて途中交代となり、涙を浮かべながらピッチを後に。松葉杖でミックスゾーンに現れ、「1年間通して自分の力不足だし、やってきたつもりだったけど結果が出てないので責任を感じています」と話した。

「8年前に勝ち点1でプレーオフに入れなくて、その勝ち点1をずっと探していて、きょう最低限の場所には立てて。またこうして最後のところで負けるというのは、何か自分自身に対してあったんじゃないかなと、今は思っています」

 今季は副キャプテンを務め、試合でキャプテンマークを巻いた回数はチームで一番。そのなかでも、キャプテンのMF岩尾憲、MF永木亮太、GK長谷川徹らベテランたちに「すごく僕も助けられた」と支えられた。「そういった人たちに、J1に上げて感謝というのを示しかったですけど」と悔しさを隠しきれなかった。

「きょうこういう結果になりましたけど、チームとしての1年間の取り組みはやってきたという自信があるので、敗者は何を語ってもあれですけど、そこだけは、チームとして残ったのではないかなと思っています」

 助け合いながら「ときには喧嘩もしたり言い合いもした」と、良い雰囲気でプレーオフに進出した今季。「こんな形で離れるのは本望ではない。選手であれば長い時間ピッチに居続けられるのが幸せですし、きょう責任感のある場所だったので、そういった意味で悔しさの方が多かった」と無念の交代となった。

 来季に向けては、「今は燃え尽き症候群になりそうなので」と何も語ることはできず。そのなかで、「ここ2、3年で徳島にとっては色々なことがあったので、それはネガティブなことだったんですけど、そういった思いもあったなかで、こうしてきょう決勝に立てたということは幸せなこと」と今季を振り返る。

 さらには、「会社として、クラブとして、チームとして、やっぱり何かが足りなかったというのは、自覚しないといけない」と指摘。「そこに対して、もっと本気で突き詰めていかないといけないし、なかなか言いたいこともありますけど、もっと本気でやらないと駄目だと思っています」と言葉を絞り出した。

(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)



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