鹿島9年ぶりVの要因は? 代表OB絶賛…鬼木監督が蘇らせた”伝統”「蓄積ももちろんある」

今季J1を制覇した鹿島【写真:徳原隆元】
今季J1を制覇した鹿島【写真:徳原隆元】

【専門家の目|ハーフナー・マイク】鹿島が9年ぶりにリーグ制覇

 J1リーグは12月6日に最終節が各地で行われ、鹿島アントラーズが9年ぶりにリーグ制覇を果たした。ヴァンフォーレ甲府などで活躍した元日本代表FWハーフナー・マイク氏が今季を総括しつつ、鹿島の戦いぶりに言及した。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 鹿島は今季より鬼木達監督を招聘し、シーズン序盤は5勝1分1敗とスタートダッシュを切ったものの、4月には3連敗を喫するなど苦しんだ。それでも7連勝で巻き返すと9月には首位に浮上した。

 そして9勝5分と14戦無敗の状態で最終節を迎え、勝てば自力での優勝が決まるなか、ホームに横浜F・マリノスを迎え撃った。試合は鹿島が序盤から優勢に進めると、前半21分にレオ・セアラがDFの間から足を出して今季20点目となるゴールを決めて先制点を奪った。さらに後半も押し込むと同12分、再びレオ・セアラがゴールを挙げてリードを広げた。終了間際には1点を返されたものの試合はそのまま終了。鹿島が9年ぶりにリーグ制覇を果たした。

「9年ぶりなのに最多優勝。やっぱり伝統あるチームだなってすごい思ったし、また強いアントラーズが帰ってきた」とハーフナー氏は言及している。

 そして優勝の要因について鬼木監督の招聘と言い、「いい監督はどこに行っても優勝しますよね。鬼木さんが来たら優勝できるだろうみたいな雰囲気がシーズン通してあって、絶対強くなるし首位には絶対アントラーズいるだろうなみたいな。それがそのままうまい具合に全部ハマった」と力説していた。

「結局は監督が一番大事だと思います。チームの中身ももちろん大事ですけど、鹿島はベテラン、中堅、若手がしっかり揃っていてバランスがいいですよね」というように、ベテランではMF柴崎岳、中堅にFW鈴木優磨やDF植田直通、MF三竿健斗が揃っている。また今年A代表に選出されたGK早川友基がチームを最後尾から支えた。

「選手たちのマネジメントも鬼木さんがうまかったなと思いますし、チームとしての蓄積はもちろんある。ここ数年で鈴木選手や三竿選手などの海外選手を呼び戻したりしているのも大きいと思います。あとは早川選手の成長ですよね。PK含めて大事な局面で止めていた」と、早川で勝ち点を拾った試合が数多くあったと称賛していた。

 そしてチームのMVPには鈴木優磨の名を挙げ、「彼がずっと背負っていたというの画面越しでしか見ていないけど、印象がすごいありました。味方だろうが敵だろうが気迫でチームを引っ張っていて、彼がチームに向くべき方向を示していたと思う」と、その姿勢について指摘している。

 最後には「みんなが同じ目標に向かって行っていて、昔の鹿島みたいに、難しい試合でも結局最後は1-0で鹿島みたいな。引き分けが続く時もありましたけど、そういう粘り強さを見て、他のサポーターや他のチームが嫌がる昔の鹿島が帰ってきたなっていう印象でした」と締めくくった。

 7年前には最終節で川崎フロンターレに逆転優勝と悪夢を経験していたが、今回は最後まで鹿島らしさを発揮し栄冠を手にした。名将・鬼木監督の元、来季の特別シーズン、そして26-27シーズンもどうような戦いを見せてくれるのか注目だ。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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ハーフナー・マイク

ハーフナー・マイク/1987年5月20日生まれ、広島県広島市出身。2006年に横浜F・マリノスの下部組織から昇格。福岡、鳥栖への期限付き移籍を経て、2010年に甲府に完全移籍。2011年にJ1で日本人トップの17得点を挙げ、日本代表に初選出。2012年1月にオランダ1部フィテッセに移籍。スペイン1部コルドバ、フィンランド1部ヘルシンキを経て、15-16シーズンはオランダ1部デン・ハーグに加入し、16得点を記録。その後は神戸や仙台などを経て、2022年に現役引退。日本代表は通算18試合4得点。現在はJ2甲府のクラブアンバサダーに就任し、ホームタウン活動やスクールコーチを務めている。

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