古巣スタジアム凱旋 途中出場組がキーマンに…古巣対戦の24歳が「いやーな恩返し」

途中出場から流れを変えた荒木遼太郎と松村優太【写真:徳原隆元】
途中出場から流れを変えた荒木遼太郎と松村優太【写真:徳原隆元】

途中出場の荒木と松村が活躍

 鹿島アントラーズはJ1リーグ第37節で東京ヴェルディと対戦し、1-0で勝利した。ホーム最終戦での勝利を目指す東京Vに大いに苦しめられたが、昨季に味の素スタジアムをホームとしていた2選手が途中出場から勝利を引き寄せる働きを見せた。

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 まずは、昨シーズン開幕前からFC東京にレンタル移籍していたMF荒木遼太郎だ。0-0で迎えた後半29分、投入されたばかりの荒木は相手最終ラインにプレスをかけたあと、中盤へ戻ろうとしていた。その時、相手のバックパスが足元へ転がり込んだ。荒木は当時の状況を「ビックリして『えっ?』ってなって、相手もいなかったので戸惑いました。それで前を向いたらレオ(・セアラ)が見えたので、そこでパスを出しました」と振り返った。

 決して容易ではないスルーパスを荒木が通すと、レオ・セアラがシュート。GKマテウスに弾かれたボールに、昨シーズン後半戦に東京VへレンタルされていたMF松村優太が相手DFとの競り合いを制して押し込んだ。

 松村は自身の動きについて「相手のミスからでしたけど、荒木がしっかり良さを出して、パスを出して、レオもシュートして…」と話し、「どこかに当てるんじゃないかなとは思いました。自分のところにこぼれてくるところまでは予想していなかったですけど、(マテウスは)素晴らしいGKなので。そこまで詰められました」と続けた。

 また、初の古巣対決となったことについては「半年でしたが、本当にここで得たものはみなさんが想像している以上に大きいものがあります。城福監督だったり、コーチングスタッフのみなさんが自分にサッカーの本質だったりを教えてくれて、すごく向き合ってくれたので」と述べ、「そのなかで、いやーな恩返しができたんじゃないかなと思います」と笑顔を見せた。

 今季、多くの出場時間を与えられてきたわけではない復帰組の2人が途中出場で勝利に直結する働きを見せたことは、苦しい展開の試合をものにしたという点でも鹿島にとって大きい。最終節に勝てば2016年以来9シーズンぶりの優勝が決まる状況について、松村は「ありがたいことにホームでできますし、目の前でタイトルを獲る姿を見せることが、10年くらいタイトルを取れていないなか、サポーターに向けての一番の恩返しになると思うので」と気持ちを込めた。

「出ていない時も、いつ出ても良いプレーができる準備はしている」という荒木も、「自分たちのやることははっきりしている。勝つだけなので」と決意を示した。

(河合 拓 / Taku Kawai)



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