チームとキャリアの狭間で「難しいですよね」 2年連続残留も…今後に必要な道のり「僕がいる間に」

試合後のセレモニーでマイクをとった森田晃樹【写真:徳原隆元】
試合後のセレモニーでマイクをとった森田晃樹【写真:徳原隆元】

東京VのMF森田晃樹は好パフォーマンスを披露した

 J1リーグ第37節で首位に立つ鹿島アントラーズをホームに迎えた東京ヴェルディは、0-1の敗戦を喫した。チャンスの数で上回り、内容的には勝ち点3を取っていてもおかしくなかった東京Vだったが、一つのミスを突かれて決勝点を奪われ、ホーム最終戦を黒星で終えた。

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 城福浩監督は「選手はやれることをやりました。攻守において今の力を出せた」と選手達を労ったが、なかでもMF森田晃樹のプレーは攻守に際立っていた。中盤で鹿島の攻撃を食い止め、ボールを持てば高い技術で相手のプレスを回避し、パスを散らした。

 森田自身も「まず、やっぱり鈴木優磨選手が攻撃のキーマンだと思っていたので、そこを今日は自由にやらせなかったこと。ボランチを含め、斉藤選手とかがうまくボールに絡んでラインブレークできたことは良かったかなと思います」と、首位に立つ相手と渡り合えた手応えを口にした。

 それでも0-1で敗れたことには「それがサッカーだと。今の順位に出ている。鹿島さんはこういうゲーム内容でも、こちらのミスがあったにせよ、ああいうところでしっかり点を決めて、しっかり守りきる。勝負強さは、鹿島さんの今の順位を表しているかなと思う。ああいうミスで失点して負けるっていうのは、今年のヴェルディを象徴しているとまでは言えませんが、順位に出ていると正直に思います」と、要所で出てくる個の力をポイントに挙げた。

 決して潤沢な資金があるわけではない東京Vが、2年連続でJ1に残留できたことは大きな成果だ。チームのキャプテンとして森田は「僕自身もそこに関しては、良くやっているというか、予算も少ないですし、そのなかで大卒やユース上がりの選手を使いながら、こういうふうにJ1というレベルの高いところで残留できているのは、監督のマネジメント能力だったり、コーチが若手を戦力化しているところだったりが、僕は今のチームのレベルを上げている要因だと思います。そのなかで僕や斉藤選手といった中堅の選手が責任感を持ってプレーできていることが、残留につながっていると思います」と語った。

「ただ、言っても2年なので、まだまだ積み上げないといけないものはたくさんある。僕がいる間にリーグ優勝とか、カップ優勝ができたらいいですけど…。そこを目標にしていますが、現状で本当にどうかとなると、まだまだレベルが上がっていく必要がある。チームとしても、クラブとしても、大きくなる必要があると感じている。とにかく今は、J1というカテゴリーに居続けながら、ちょっとずつ成長していくのが現状かなと思います」と、本当にタイトルを狙えるチームになるまでは、まだまだ道のりが長いという考えを示した。

 サッカー選手のキャリアは決して長くない。この日の対戦相手である鹿島のベンチには、シーズン前半戦まで東京Vの最終ラインにいたDF千田海人がいた。昨オフにもオファーを受けていたと報じられている森田だが、この日のパフォーマンスを見ても、より大きなクラブでチャンスを与えられても不思議ではない。

 森田自身は、個人のキャリアについて、どう考えているのか。「そこは難しいですよね。自分の年齢的なものもありますし、どこを自分の最終目標というか、どこを目標にやるかで相当変わってくるので」と言い、「難しいですよね」と繰り返した。「もちろんレベルが高いチームでやることが選手としての成長につながるかもしれないですけれど、選手としては試合に出ることが一番成長につながると僕は思っている」と、試合に出ることの意義を強調した。

(河合 拓 / Taku Kawai)



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