デビュー戦で達成した“史上初”の快挙「絶対勝てる」 完璧な反応…浦和に現れた現役大学生

肥田野蓮治は来季から加入の桐蔭横浜大4年生
浦和レッズの特別指定登録選手、来季加入内定のFW肥田野蓮治(桐蔭横浜大)が11月30日のJ1第37節ファジアーノ岡山戦でデビュー戦ゴールを決めた。1-0の勝利に導く決勝ゴールは、特別指定登録選手としてはクラブ史上初の記録。「来季は絶対、開幕スタメンで出たい」と、喜びだけに留まらず、野心を見せた。
【PR】DAZNを半額で視聴可能な学生向け「ABEMA de DAZN 学割プラン」が新登場!
11月9日の前節サンフレッチェ広島戦から3週間のインターバルがあった中、マチェイ・スコルジャ監督は肥田野を今季初めて試合の登録メンバーに入れただけでなく、スタメンに抜擢した。約2週間にわたって練習参加を続けていたアタッカーについて、「練習でのパフォーマンスを見ていて、最近のチームのプレーにあまり見られなかった背後への抜け出しがあり、スピードも決定力もある。それがスタメン出場の理由でした」と、将来性への期待だけでない抜擢の理由を語った。
さらにスコルジャ監督は「大学ではストライカーとしてプレーしていましたが、今年のキャンプに参加した時からウイングで見てみたい選手でした。ただし、ストライカーとしてもトップ下としてもプレーできるでしょう。将来的に非常に重要な選手になると思います」と期待を語った。
肥田野は右サイドハーフでのプレーになったが、前半は足下にボールを受けてから仕掛けることが多く、効果的な突破ができる場面は少なかった。しかし、前半から猛然とハイプレスを仕掛けていた岡山の運動量が落ちてきた後半、スペースが広がり始めるとスピードを生かす抜け出しが増えてきた。
迎えた後半27分、中盤で途中出場のMF中島翔哉が浮き球を高い技術でピタリと止めて相手をかわして前を向くと、肥田野は右サイドから縦ではなく中央方向へスプリント。そこに中島からピタリと合うスルーパスが届き、GKスベンド・ブローダーセンとの1対1を冷静に得意の左足で流し込んだ。
肥田野は「練習でも翔哉くんから一番いいボールが出るっていうのは感じていましたし、自分が1回背後に抜けちゃえば、スピードで絶対勝てるっていうのはあったんで、とりあえずオフサイドに引っ掛からないように抜けることだけを考えました」と、中島からのラストパスを信じて走ったことを明かし、「意外と落ち着いて流し込めたかなと思います」とシュートを振り返った。
浦和はこれまでユースチームに所属する選手を二種登録選手として試合に起用したことはあるものの、クラブ外の高校生や大学生で特別指定登録された選手をリーグ戦に起用するのは、この試合の肥田野が史上初だった。もちろん、特別指定選手のゴールもクラブ初だ。
それでも肥田野に満足感はなく「何回か練習参加していて、ずっとその週末の居残り組で練習して、でも自分はもう特別指定とか関係なくとにかく悔しかったし、いち早く試合に出て結果を残したいって気持ちがあったんで、今日スタメンと決まった時は、今までの悔しい気持ちを全部ぶつけてやろうと思った」と、野心的に過ごしてきたことを明かした。そして「来季に向けても少しアピールできたかなと思います。来季は絶対、開幕スタメンで出たいので」と、早くも本格加入する来季への野心を露にしていた。
ギラギラ感を隠さない大学生アタッカーは浦和にとって9試合ぶりになる流れの中からのゴール、さらに今季のリーグ戦で関東圏外に遠征したゲームでの初勝利ももたらした。優勝争いから完全に脱落したシーズン終盤戦、来季への希望になる一撃だった。




















