山口蛍「順風満帆じゃなかった」 悲願のJ1昇格…主将として背負った使命感「少し残念な部分」

長崎はアウェー徳島と1-1のドローに終わり2位でJ1昇格
V・ファーレン長崎は11月29日、J2リーグ最終節で徳島ヴォルティスと対戦し1-1のドローで終わった。この結果によりJ2昇格を決めたなか、今季よりチームに加入し主将を務める元日本代表MF山口蛍は試合後に心境を語った。
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山口はヴィッセル神戸に2019年に加入し、昨年はキャプテンも務め天皇杯で優勝、そしてJ1連覇を達成した。そんななかで昨年12月23日に長崎への完全移籍が発表され、第一線でプレーするビッグネームがJ2に移籍するのは異例であり大きな反響を呼んでいた。
今季の長崎は開幕から4勝2分と好スタートを切っていたが、山口が負傷離脱した6試合で2分4敗と失速。折り返しの19試合を終えた時点で8位となり、チームは下平隆宏監督との契約解除。後任には長崎の代表取締役兼C.R.Oを兼任する形で元日本代表の高木琢也氏が就任した。
「言葉で表すのはちょっと難しいですけど、勝負に徹することができなかった最初の時期と、今はある程度上手くいかなくても勝負に徹する戦い方ができるようになったことが、すごく大きな変化だったかなと思ってて、前半戦は自分たちがこうやりたいよなみたいなことに囚われすぎて、そこで失点も重ねてたし、勝ちを拾えなかった。そこから高木さんになってからより勝ちにこだわることが強くなって、勝ちながら修正していくという戦い方をやっていけたことが、よかったのかなと思います」
そして高木監督体制となり12勝5分け1敗とV字回復し、前節ホームで水戸ホーリーホックとの首位対決を制して首位に浮上。悲願成就へついに王手をかけた。
大一番となった徳島戦では、常にボールを握られ押し込まれる展開に。そして前半41分にセットプレーの流れから先制点を許した。それでも後半23分にMF翁長聖がクロスから流し込み同点弾を奪い、試合はそのまま終了。他会場の結果、リーグ優勝を逃したが、8年ぶりのJ2昇格を決めた。
試合後の取材対応で山口は「本当に全然順風満帆なシーズンじゃなくて、監督交代もありながら、一時期は勝ち点差開いてここまでみんなよくやってきたなと思います。個人的にも怪我で離脱した時期もあって、その時にチームも苦しくて、自分が何をできたかって言われると分からないけど、それは(周りに)いる選手に聞いてもらえれば。でも自分がその時にできる最低限のことはやったつもりではいるんで」と、キャプテンといてチームを昇格に導いたシーズンを振り返った。
そして昨年神戸でキャプテンを務めていた時はプレーで、背中で見せるタイプであったが、長崎では自身がチーム最年長ということもあり、「プレーだけではなくて、やっぱりいろんなところで発信していかなくちゃいけないというのはあったので、それは今年1年間意識してやってました」とキャプテンとしての振る舞いを考えながら行動していたという。
チームとしてはMF名倉巧が7月に悪性腫瘍の治療のため、長期離脱することを発表していた。山口は名倉の離脱について「変な言い方にはなるとは思うんですけど」と前置きしつつ、「ナグが本当にあの状況になっても、ポジティブな姿勢であったり、(明るい)キャラクター、明るい性格が苦しかった時期にチームへ与えてくれたパワーは、すごく大きかったと思ってます。本当にみんなナグのために昇格したいっていう思いがすごい強かったので、優勝はできなかったですけど、結果的に昇格につながったので、すごくチームが一つになれた要因の大きな部分を占めてるんじゃないかなと思います」と明かした。
山口にとって4シーズン目のJ2でのプレーとなり、過去2度昇格を決めていた。しかしまだ1度もJ2優勝を果たしての昇格をしたことがなく、自身でも優勝をしてJ1昇格を決めたいと打ち明けていた。
結果的にはまたもや優勝を逃し、2位でJ1昇格となったが「僕はもう本当に優勝しか考えてなかった。ただそれをみんなに押し付けるって言ったらあれですけど、『絶対優勝しなきゃいけない』って考えていた選手は多分少なかったと思ってて。みんなやっぱり昇格をしなきゃいけないと思ってる中で、僕はもちろん昇格はマスト、その中でJ2も優勝しなきゃいけない使命感の中でずっとやってた。だから試合展開で引き分けでも仕方ないなって自分の中で切り替えなきゃいけなかったのは、少し残念な部分であるとは思いますけど」と締めくくった。
来年には18年目を迎えるベテランの元日本代表MFは2月から始まる百年構想リーグ、そして26-27シーズンの1年半でどのような成熟したプレーを見せてくるのか注目だ。
(FOOTBALL ZONE編集部・小西優介 / Yusuke Konishi)





















