森保Jの「狙いは見えた」 代表OBが絶賛…攻守に躍動の“要”は「いるといないとで違う」

【専門家の目|ハーフナー・マイク】日本はボリビアに3-0と勝利
サッカー日本代表(FIFAランク19位)は11月18日、「キリンチャレンジカップ2025」でボリビア代表(同76位)と対戦し3-0で勝利を収めた。この試合を元日本代表FWハーフナー・マイク氏が総括した。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)
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日本は14日にガーナ戦(2-0)から7選手を入れ替えたなか、序盤から攻め込む。前半4分に敵陣でボールを奪い取り、右サイドを駆け上がったMF久保建英が右足でクロスを放り込むと、ペナルティーエリア内で構えていた鎌田が胸トラップから左足を振り抜き、ゴール右隅に沈めた。
しかしその後はボリビアにボールを握られ、何度かゴールを脅かされる場面も。さらに何度かピンチを迎えたが同点は許さず。後半もボリビアに押される展開が続いたなか、日本は同23分にFW上田綺世、FW町野修斗、MF中村敬斗の3人を同時投入。するとその3分後、パスを受けた中村がクロスを入れ、最後は町野が身体で押し込んだ。さらに同33分、反転から抜け出した上田が中村にパスを選択。中村は1人かわすと相手の股下を抜くテクニカルな右足シュートを決め、試合を決定づけた。
「後半の3選手が入ってくる前まではボリビアペースだったけど、この2試合で見られたのが守備の安定感。ガーナ戦もそうでしたけど、相手に決定的なチャンスを与えなかった。苦しい時間帯もボールを握られることもありましたけど、最後まで守備が崩れることはなかった」と、快勝のなか押し込まれる展開で崩れなかったチームをハーフナー氏は称えた。
そして3人同時投入でギアを上げた日本は「一気にね、前線からの守備もありつつ、攻撃のギアをもう1つ入れたとこで2点目も3点目も取れたと思いますし、いい攻めが展開されたかなと思います」と言及している。
7人を入れ替えたなかでもガーナ戦と変わらず強固の守備を見せた日本。ガーナ戦では前からのプレスとミドルブロックを使い分けていたが、ボリビア戦では立ち上がりからMF前田大然を筆頭にプレスをかけ、かわされる場面もあったが中盤で刈り取っていた。
「誰が出ても安定感を生み出せるのが今の日本の守備の良さかなと思います。結局試合展開によって変えなきゃいけない時もあるじゃないですか。負けてる時に前線から行くことがあるので、それを勝ってる状態でいろいろ試せてるのはもちろんプラスだと思う。前から行く時、ハマって逆に引く時、ハマらない時とか、そういう中で耐えられるのがいいと思います。どこでスイッチを入れてボールを奪うかと、プランはいろいろあった方がいいかなと思います。1発勝負だと何が起きるか分からないし、守備は今回無失点で終われたので2試合通して非常に良かったかなと思います」
森保ジャパンの課題については「正直難しいですね。2-0、3-0の完勝なので課題という課題が見えなかったか」としつつ、「親善試合なのでね、いろいろ試せるのはあるし。前田大然選手がどのポジションでもあの走力で、安定的なパフォーマンスをちゃんと出せるのは良かったなと思います」と、前線からの守備に貢献し、攻撃でも突破を見せた前田を称賛した。
この試合のMVPに先制点を挙げた鎌田を挙げた。鎌田はゴールを決める前も、FW小川航基へ絶妙なスルーパスを通し決定機を演出。テンポを作るだけでなく、チャンスと見るや先制点のシーンのように何度もゴール前に入って行った。
「鎌田選手は良かったですね。エリアに入って行くのもそうだし、中盤仕切っているやっぱり攻守において安定感がありますよね。守備に戻っても、攻撃行っても存在感が一番あったかなと思います。いいスルーパスを通したり、中盤に彼がいるといないとでは全然違う。チームを回せるという安心感はすごい感じた」
ガーナはFIFAランキングで73位、ボリビアは76位といわゆる格下との2連戦であったが、「こういう試合で安定感を持って勝てるのもチームの厚みというか、誰が出てもやることは変わらないし、全員が起用にちゃんと応えられるのは層の厚さが見られた2戦だったかなと思いますし、守備の狙いは見えた。狙ってたことはできたと思う」とチームの底上げにつながったと持論を展開している。
来月にはW杯の組み合わせ抽選があり、来年3月には本大会前最後の代表期間を控える。果たして森保ジャパンはチームとしてさらに積み上げることができるのか注目だ。
(FOOTBALL ZONE編集部)

ハーフナー・マイク
ハーフナー・マイク/1987年5月20日生まれ、広島県広島市出身。2006年に横浜F・マリノスの下部組織から昇格。福岡、鳥栖への期限付き移籍を経て、2010年に甲府に完全移籍。2011年にJ1で日本人トップの17得点を挙げ、日本代表に初選出。2012年1月にオランダ1部フィテッセに移籍。スペイン1部コルドバ、フィンランド1部ヘルシンキを経て、15-16シーズンはオランダ1部デン・ハーグに加入し、16得点を記録。その後は神戸や仙台などを経て、2022年に現役引退。日本代表は通算18試合4得点。現在はJ2甲府のクラブアンバサダーに就任し、ホームタウン活動やスクールコーチを務めている。





















