58歳カズが5試合連続出場も「流れが悪かった」 今季で鈴鹿との契約終了…去就は「今話すことじゃない」

JFL残留のかかる最終戦に向けて決意を口にするアトレチコ鈴鹿FWカズ【写真:荻島弘一】
JFL残留のかかる最終戦に向けて決意を口にするアトレチコ鈴鹿FWカズ【写真:荻島弘一】

残留決定は最終節に持ち越しとなった

 58歳のFWカズ(三浦知良)が所属するJFLアトレチコ鈴鹿が、ホーム最終戦で痛い逆転負けを喫した。16チーム中13位の鈴鹿は16日、三重・上野公園陸上競技場で同14位のY.S.C.C.横浜と対戦。カズは後半アディショナルタイムの48分から5試合連続出場したが、チームは2点先行から3連続失点し、2-3で敗れた。

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 残留を争うライバル同士の「6ポイントマッチ」。ともに勝てば残留が決まる試合で、先手を取ったのは鈴鹿だった。序盤から積極的に攻めて前半21分にはFW天野太雅(22)がGKの頭超しに先制ゴール。前半終了間際に再び天野が決めて、2-0とリードを広げた。YS横浜のシュートは0、前半は一方的だった。

 しかし、後半は展開が一変する。山本富士雄監督はハーフタイムに「3点目をとろう」と話したというが、2点のリードで消極的になったのか、自陣ゴール前での攻防が続く。同33分に1点差に迫られると修正がきかず。同41分に同点にされ、その1分後には逆転ゴールを許した。

 実質2分ほどの出場だったカズは「前半はよかったけれど、後半は相手に勢いをつけさせてしまった。流れが悪かった」と振り返った。サッカーでは「2-0は危険なスコア」と言われるが、その通りの逆転負け。「ホームのサポーターの前で残留を決めたかったけれど」と悔しそうに話した。

 鈴鹿は今季、J3昇格を目指してスタートしたが、13節からの11試合連続勝利なしで下位に低迷。カズが戦列に復帰した25節からも1勝1分け3敗で足踏みが続いている。15日に飛鳥FCが引き分けて地域リーグ自動降格の最下位が決まったが、14位・鈴鹿と15位・横河武蔵野FCの勝ち点差は2。入れ替え戦に回る15位を自力で回避するには最終戦に勝利が必要になる。

「今年のチーム状況を表すような試合だった。大分戦は勝つしかない。そこに集中して、準備をしていきたい。最後の最後にクラブとして成長できたところを見せたい」とカズ。鈴鹿との契約は今季いっぱい。来季の契約について質問されると「それは今ここで話すことじゃない」とJFL残留が決まる最終戦に集中する構えをみせた。

(荻島弘一/ Hirokazu Ogishima)



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荻島弘一

おぎしま・ひろかず/1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者として五輪競技を担当。サッカーは日本リーグ時代からJリーグ発足、日本代表などを取材する。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰。20年に同新聞社を退社。

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