欧州王者に植え付けた「日本は嫌な相手」 数的不利で撃破…監督が語る「他にない強み」

U-17日本代表の廣山望監督「こういうゲームを経験するために来ている」
U-17日本代表は11月9日、カタールで開催されているFIFA U-17ワールドカップのグループステージ第3戦で、ポルトガルを2-1で破った。U-17 EUROのチャンピオンを相手に2点を先制すると、後半途中から数的不利に陥りながらも撃破。廣山望監督は「こういうゲームを経験するために来ている」と振り返った。
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自力での決勝トーナメント進出がかかった一戦、先に試合を動かしたのは日本だった。前半35分、FW浅田大翔(横浜F・マリノス)とのパス交換で抜け出したMF和田武士(浦和レッズユース)が先制ゴール。同45分にはMF瀬口大翔(ヴィッセル神戸U-18)が左足ミドル。初戦に続くゴラッソでリードを広げた。
後半もうまく時間を進めていたが、同26分にアクシデントが起きる。MF長南開史(柏レイソル)のイエローカードに対し、ポルトガルがリクエストした結果、報復行為を取られてレッドカードに変更。10人での戦いになると、同35分に1点を返される。その後も猛攻を受けたがなんとか凌ぎ、2-1で勝利を掴んだ。
この結果によって勝ち点7とし、勝ち点6ですでにグループステージ突破を決めていたポルトガルを逆転し、1位通過を果たした廣山ジャパン。廣山監督は試合後、「いいゲームでしたね。こういうゲームを経験するために来ている。その上、勝ち上がれるという意味では、本当に良かったと思います」と話した。
スコアレスドローに終わったニューカレドニア戦での相手の懸命なプレーについて、試合前に選手たちに伝えたと明かした廣山監督。「相手のゴールキーパーが顔を傷だらけにして、ここ(ミックスゾーン)に現れたという話もしました」と言い、戦術だけではなく、大会への向き合い方まで再確認して臨んだ。
ニューカレドニア戦では、「ワールドカップを戦う喜びみたいなものを彼らは全身で表していたのに対し、我々はそれを本当に表現できるような90分だったかと言ったら、そうじゃなかった」と指摘。コーチ陣からは消極的だったシュートのアドバイスがあり、それが選手に伝わって見事なゴールに結びついた。
数的不利に陥るまでは、日本の積極的なプレスに相手が苦戦。9月にもフランス遠征で1-0で勝利していることを挙げ、「日本は嫌な相手だと思うんですよ。それをポルトガルと9月にやって感じさせているのを、絶対に消してはいけないというか、それを思い知らせることが大事」と日本ペースに持ち込んだ。
「なぜなら彼らはこの先、将来何度もポルトガルと本番で当たるなかで、日本は嫌だなと思わせる、そういう国を増やしていくことが、我々の年代で必要なだと思う。日本とやるのは嫌だな、トーナメントで当たりたくないなというのをこの年代から植え付けるという意味で、きょうはそういうゲームができた」
前線から組織的なプレスで相手を追い込むのは、森保ジャパンも得意にしているところ。「この年代は個で素晴らしい飛びぬけた選手はどこのチームにもいますけど、組織的に連動して守備にいくのは日本の武器でもあるし、そこの部分は他のチームにない強みだと思います」とアンダー世代も受け継いでいる。
一方、数的不利の状況では「選手が局面でうまく判断して、ただ頑張るではなくてうまく遅らせたり、ボールに出るべきとこは出る」と冷静に対応。3、4、5バックと変化させ、「かなりスムーズに理解してやった。日本全体のこの年代の選手の個人戦術のレベルが上がっているというのは感じました」と語った。
また、長南については「学びであってほしいし、チームの選手が救ってくれた。それをどう捉えて自分のパワーに変えられるかというところを、逆に僕は期待しています」と言及。「1人足りないところを俺らが何とかしなければいけないと思って準備してほしいし、それが大会だと思う」と一致団結を誓った。
(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)




















