20歳主将が明かしたイラつき「怒りもあった」 首位相手に完封…分岐点となった試合中断

市原吏音が試合中断の時間をうまく使えたと話した
RB大宮アルディージャは11月9日のJ2リーグ第36節で首位の水戸ホーリーホックと対戦して2-0の勝利を挙げた。大宮のキャプテンマークを巻いたDF市原吏音は、試合の前半に起きた約20分の中断で落ち着きを取り戻せたと振り返った。
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水戸からすればこの試合は勝てば初のJ1昇格が決まる可能性があるという一戦だったが、大宮にとっても逆転で自動昇格を目指すためには負けが許されない試合だった。立ち上がり大宮は思うようにボールが収まらず、水戸にチャンスを作られる展開になった。
市原は「立ち上がりのところで水戸が首位にいる理由がわかったというか、切り替えのところとか、球際のところの強さはちょっとほかのチームとの差を感じ取れたので『しっかり戦わないと持っていかれるな』と思いました。そこでしっかり戦えたことが、今日の勝利につながったんじゃないかなと思います」と、首位に立つ好調な相手の強度に対応できたことを勝因に挙げた。
粘り強く戦って、途中出場の元日本代表FW杉本健勇の2ゴールで勝利した大宮だが、市原は前半25分にイエローカードを受けてしまう。この試合で流されたほかのプレーと比べても正当なショルダーチャージにも映ったが、この警告によって市原はホーム最終戦となる、徳島ヴォルティス戦に累積警告で出場停止となる。
「あの判定に対して、怒りもありました。次の徳島戦にも出られないというのも頭によぎっていたので、かなりいらついていた」と、市原はその時の心情を明かした。
「昨年のJ3でもレッドカードが出ましたけど、こういうことにも対応しなきゃいけない。良い経験として上に行くための糧としたい」とジャッジへの不満を隠さなかった市原に、ノーファウルという確信を持ってショルダーチャージをしていたかと聞くと、「相手選手がボールしか見ていなかったから、アフター気味に見えたかもしれません。でも僕的にはノーファウルでもおかしくない。ファウルであっても、イエローは厳しいと思うし、(主審に)話もしました。イエローの基準も自分たちだけに多かったと感じたし、コミュニケーションを取っても理由も特に入ってこなくて、雰囲気で出している感じだったので、そこはもう自分が言わなきゃいけないと思っていました」と、熱くなるだけでなく、キャプテンとして冷静に主審と向き合っていたこともうかがわせた。
その数分後、バックスタンドにいた観客に急病人が出たことから試合が約20分中断した。怒り心頭だった市原は「あの時間が逆にうまく自分を落ち着かせてくれました。時間帯も時間帯で結構、半ばだったので前半は割り切って(失点)ゼロで行こうと話していたので。そんなに長く感じなかったですし、無事を祈るだけです」と言い、この時の状況について「急に水戸のサポーターの方々が声を荒げていたので『なにかあったのかな』と思ったら『倒れている』と言っていました。自分も近くにいたので、何かしないとと思ったのですが、何もできなくて」と、無事を願うことしかできなかったと振り返る。
この直前には水戸に決定機を作られていたが、中断時間をうまく使えた大宮は流れを引き寄せた。「あれもサッカーですし、ああいう途切れた時間をうまく使った方が、よりゲームを優勢に進められると思う。その意味では今回は自分らが良かったんじゃないかな」と、市原は淡々と語った。
ここで勝ち点3を取れたことで大宮にも自動昇格の芽が残った。次節の徳島戦について改めて「次、ホーム最終戦でめちゃくちゃ出たかったんで悔しい思いもありますけど」と悔しがった市原は、「本当に練習がすべてですし、自分は出られませんがどういう立ち振る舞いをするかで徳島との試合も多少変わってくると思うので、自分がやれることをしっかりやれればいいと思います」と自身が欠場する徳島戦に向けてもチームを支えていくと誓った。
大宮は、この試合後3日間のオフが選手達に与えられるという。しかし、U-20日本代表に招集された市原はまとまった休みを得られない。宮沢監督は試合後の記者会見で、過密日程となる市原に対して欧州で活躍する日本人選手達の例を出して話をしたと語った。その詳細について市原に聞くと、「帰国してからもオフがなくて忙しいのですが、監督には『ヨーロッパに行けば、アジアの選手はそういう扱いになる。そうなってもプレーで見せなきゃいけない』という話を、南野(拓実)さんとか大迫(勇也)さんを例に出されて言われました」と明かした。
そして「対戦できる相手が相手なので。ボーンマスとイングランド代表とよりレベルの高い相手と戦えるので、よりレベルの高い相手だと思う。この1か月くらいで自分がどれだけ成長しているかわかるし、今後ヨーロッパに行く上で、ある程度の物差しになるというか、自分の立ち位置もわかると思うので、自分の持っているものを全部出せれば良いなと思います」と、U-20日本代表への遠征へ気持ちを切り替えた。



















