2年連続で残留争い「経験が生きてる」 自力で残留決定も”あっさり”…「報われてよかった」

好セーブでクリーンシートに貢献した横浜FMのGK朴一圭
横浜F・マリノスは11月9日、J1リーグ第36節で京都サンガF.C.と対戦。3-0で勝利してJ1残留自力でを決めた。試合後の取材対応で何度もセーブをして無失点勝利に貢献したGK朴一圭は「去年の経験が僕自身は生きてる」と、サガン鳥栖で残留争いをした昨季を振り返った。
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運命の巡り合わせだった。昨季所属していた鳥栖でも残留争いに巻き込まれると、今日残留を決めた同じピッチで昨年の10月19日、朴は降格を味わった。
「俺ここで降格してるんですよ。なんか運というか面白いですよね」と自身で触れ、「でもやっぱり去年の経験が僕自身は生きてるんじゃないですかね」と、昨季の残留争いがためになったと口にした。
昨季は降格、それでも今季は勝利すれば残留が決まる状況で試合を迎えた。逆転優勝を狙う京都にチャンスを作られ、前半17、18分と立て続けに絶体絶命のピンチを迎えたが朴がビッグセーブでチームを救う。
「もう体が咄嗟に動いたって感じですね。最近あまりピンチがなかったですけど、今回はちょっと(ボールが)飛んでくるシーンが多かった。でもしっかり準備はしてたので、準備してたものがそのまま表現できたかな。あとはちょっとの予測と相手の体の向きで最終ジャッジはさせてもらった。うまく対応できた」と、自画自賛のセーブだった。
その後にチームは先制点を挙げ、後半にも追加点を奪い3-0で勝利し3連勝を達成。そして残留を決めた。朴は笛がなるとピッチに横たわるチームメイトや、涙を流していたキャプテンMF喜田拓也に笑顔で声を掛けに行った。
「ホッとしたのはそうなんですけど、昨日名古屋が負けて、勝てば名古屋のところまで行けるなって思っていた。シンプルに残留を目指してやるというメンタルよりかは、個人的にはいい流れなので勝って上に行きたいなって気持ちだった。そこが達成できて、そっちの思いのほうが強かったかなって感じです」と、意外にも残留よりも順位を1つ上げられたことを喜んでいた。
その理由として「俺も今年36の年になって、自分でも思ってる以上にたぶん成長している。そんなバタつかないというか、やれることは分かっているし、もう見栄張って変にやろうとすると絶対うまく行かないし、自分が今何をすればチームにとってプラスになるか、いい方向に行くのかをもう分かっているから、それを本当にただただ淡々と表現していくなかで、今日はそれがよりいい方向にいったかなという感じですね。だからいつも通りです」と、勝利で残留が決定する大事な一戦と考えず、平常心で目の前の1試合に臨んだからこそ気負うことなく、好セーブもできたと明かした。
だからこそ笛が吹かれた瞬間はほっとした以外に自身への感情はなく、「もう俺は良くも悪くも淡々としているのと、去年ああいう経験もしている。あと俺あまり一喜一憂しないんすよ」と、あっさりしていた。
それでも「終わったときはどちらかというと、ツノ(角田涼太朗)とか残留させるために帰ってきて、キー坊(喜田拓也)なんて今年キャプテンやりながら、あいつが在籍した中で1番苦しいシーズンだったんじゃないかな。だから俺は彼らの姿勢が報われて良かったなと思った。俺はそういう報われる姿が見たい一心で今シーズンずっと頑張っていた。こうやって涙を流してね、普通は優勝して涙を流さなきゃいけない。それでも、残留して涙を流すってあまり経験できることじゃないじゃないですか。それだけ彼が背負って今シーズン1人で、気を吐いて頑張ってた姿を見ていたので、そこに関してすごくうるっとくるものはありました。でも本当にそういう人たちが報われてよかったなって、俺は親心じゃないですけど、そんな感じで見てました」と振り返った。
感情を露わにした味方1人1人に声を掛け労っていた姿の裏には、ベテランとしてのチームでの役割を理解しての行動であった。12月に36歳を迎える守護神は今季5連勝でのフィニッシュを目指し、チームを最後尾から支える。
(FOOTBALL ZONE編集部・小西優介 / Yusuke Konishi)













