長谷川唯の芸術ループ「判断凄い」 代表OBが注目した“直前の動き”「もうアクションを始めている」

【専門家の目|太田宏介】長谷川唯のゴールでイタリア代表と1-1ドロー
なでしこジャパン(日本女子代表)は現地時間10月24日、国際親善試合でイタリア女子代表と対戦し、1-1で引き分けた。この試合で貴重な同点弾を決めたMF長谷川唯の“技ありループ”について元日本代表DF太田宏介氏が「お金を払って見る価値がある選手」と絶賛している。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)
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芸術的なゴールだった。0-1と後半頭に先制点を奪われたなか、同19分に長谷川が圧巻のゴールを決める。敵陣右サイドでボールを持ったDF高橋はなが中央のMF宮澤ひなたへ横パスを選択。これをダイレクトの浮き球で走り込んだ長谷川に供給し、冷静に右足のループシュートでGKの頭上を抜いてゴールネットを揺らした。
このシーンについて太田氏は「それまでの過程もものすごく良かったですよね」と、長谷川のゴール前のプレーに注目。「宮澤にボールが渡る時点、横パスを選択した時に長谷川はもうアクションを始めて先に走っているんですよ」と、高橋が横パスをしたときにすでに動き出していると解説した。
「もはやボールが来たというよりも、ボールを呼び込んだランニングだった。3列目の位置から3人目の動きで上がってくると相手からしたらやっぱりついていけない。非常にチームとして連動したいいプレーだったと思います」
さらにシュートシーンについては「GKとの駆け引き、左後ろから来るディフェンスが目に入ると早く打たなきゃって思うんですけど、少しいいタイミングまで待ちながらGKが出てきたところでのループの判断は、素晴らしかった。ゴールシーンだけじゃなくて、本当に細かい狭いエリアで囲まれた時にダブルタッチで回避していく技術の高さだったりもすごい。長谷川唯選手のプレーを見てても、お金を払って見る価値があるというか、魅せられる選手の一人だと思う。驚きもしないぐらい当たり前のように普通にこなすから、それがまたすごいなと思います」と、絶賛している。
なでしこは今回欧州遠征を行い、強豪のイタリア、ノルウェー代表と対戦。来年3月にオーストラリアで行われる女子ワールドカップ(W杯)予選を兼ねたアジアカップへの準備を進めるなか、チームのキャプテンで中心の長谷川が心臓としてプレーでも牽引している。

太田宏介
太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。





















