上田綺世はなぜ覚醒? 驚異の9戦11発…代表OBが注目した”動き直し”「常にできている」

上田綺世の動き直しに注目【写真:ANP Photo/アフロ】
上田綺世の動き直しに注目【写真:ANP Photo/アフロ】

【専門家の目|高萩洋次郎】上田綺世は前半のみでハットトリックを達成

 オランダ1部フェイエノールトに所属する日本代表FW上田綺世は、現地時間10月19日に行われたエールディビジ第9節ヘラクレス戦で前半のみでハットトリックを達成。元日本代表MF高萩洋次郎氏が「常に準備ができている」と称賛している。

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 日本のエースFWの勢いが止まらない。今季開幕から好調を維持している上田は、ヘラクレス戦前までで8試合8ゴールで得点ランキングトップを独走。さらに10月の代表ウィークでは、10日のパラグアイ戦で終了間際に投入され、敗戦濃厚の場面で同点弾を奪う。そして14日のブラジル戦では、0-2から逆転勝利となる決勝弾を頭で叩き込み、歴史的勝利に大きく貢献した。

 そんな上田は代表明け最初の試合で先発出場すると、アウェーで行われた一戦でも爆発。前半7分、ゴール前で相手のパスミスを拾った上田は、ペナルティーエリア手前から右足を一閃。鋭いシュートが左ポストをかすめてゴールに吸い込まれた。2点リードの前半33分には右サイドからのクロスを右足で合わせて、この日2点目をマーク。同38分には味方のシュートのこぼれ球にいち早く反応。冷静に左足で流し込み、なんと38分間でハットトリックを達成した。

 高萩氏は「なんか簡単に点取るなというイメージ」と感嘆。「特に2点目、3点目は準備ができている。FWならそれが当たり前かもしれないですけど、しっかりゴールにへそを向けて準備をしていて、必ず立ち位置はゴールの幅は外れないポジショニングを取っているので、ボールが来たら素直にシュートを打てる」と、体の向きや準備の部分が得点につながると解説する。

 さらに高萩氏が注目したのは、上田のゴールではなくチームが決めた2点目の場面だ。左サイドからのパスをMFセム・スタインがシュートを放つもブロックされる。それでもこぼれ球を拾ったFWアニス ・ハジムーサがダイレクトで左足を振り抜きゴールを奪った。

 このシーンで上田はボールの位置に対して方向を変え、何度も動き直しを行っており、「味方がシュートを打つ前に動き直してしっかりゴール方向に体を向けて、GKが弾いたところを狙いに行く姿勢も見えていた。そういう準備が常にできているからこそ反応ができ、得点チャンスをしっかりとゴールにつなげられている」と、基本の動きながらも愚直に動きを繰り返す姿勢を絶賛している。

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高萩洋次郎

高萩洋次郎(たかはぎ・ようじろう)/1986年8月2日生まれ、福島・いわき市出身。高校から広島ユースに入団。2003年4月のJ2湘南戦で、当時のJリーグ最年少記録となる16歳8か月3日で出場を果たした。同11月に17歳でプロ契約。2010年にナビスコ杯(現ルヴァン杯)でニューヒーロー賞を受賞。12年にはリーグ最多13アシストを記録し、広島の初優勝に貢献。ベストイレブンにも選ばれた。14年シーズン限りで広島退団後はウェスタン・シドニー・ワンダラーズ、FCソウルを経て、17年にFC東京に加入し、中心選手として活躍。その後は栃木SC、アルビレックス新潟シンガポールでプレーし、2025年1月に現役引退。日本代表では3試合に出場。

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