森保Jで鍵を握る”WB”の人選 失点シーンから紐解く…代表OBが持論「守備が得意な選手であれば」

【専門家の目|高萩洋次郎】1失点のシーンを解説
日本代表は10月14日、国際親善試合でブラジル代表と対戦し3-2で勝利を収めた歴史的な初勝利を飾った一方、この試合の1失点目のシーンを元日本代表MF高萩洋次郎氏が解説している。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)
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日本は前半、ディフェンスラインはコンパクトにするも、前線は前からプレスに行かずに自陣でブロックを敷いていたが、「僕の予想、見ていた印象ではアジア予選、親善試合を戦った中で、あの守り方ではやられないなという自信があった上で試合に入っていたのではないかなと。ただそれを上回られたのがあの2失点につながった印象ですね」と、ローブロックから、ミドルブロックを敷きながらも前半に2失点したシステムに持論を展開している。
さらに失点シーンでは、ボールを横に振られたところから縦パスが入り、落としから3人目の動きで抜け出され、完璧に崩されて失点した。
「左右に揺さぶられて相手の右サイドバックの選手に寄せきれず、自陣コートに入られた際、背後に飛び出すという相手の動きにはなかなかついていけない状況。日本の5バックが横に振られながら縦にパスを刺されて、そのボールにディフェンスラインが食いついたところの3人目の動きだったので守りづらいっていうのはある」と、相手が上回ったと解説する。
それでも「鈴木選手からすると潰しに行くのか行かないのかの難しい判断。ただ食いついた瞬間、谷口選手や中村敬斗選手がもっと絞って、あのスペースをケアできるかも大事」と、対処方法はあったという。
日本はアジア最終予選から3バックを主に採用し、WBには三笘薫や中村敬斗、堂安律や伊東純也と基本的に攻撃的な選手を起用しているが、そこには一長一短があると言及している。
「例えばですけど、4バックだったら逆にあのズレはなかったと思うし、やはりWBの選手が攻撃的な選手なので、もう1人外に開いた選手に気を取られてしまうところはある。でも、元々SBをやっているような選手とか、どちらかというと守備が得意な選手であれば、鈴木選手が食いついたところのカバー意識はあったのかもしれないですね。ただそこは攻撃的な良さとか、チームとしてのコンセプト、WBの選手に何を求めるかも含めてチョイスをしていると思うので何とも言えないですけど、押し込まれた時にはそういう守備の意識も大事。なおかつ格上な相手、レベルが高くなればなるほど狭いエリアでも崩しに来るので。ただそういう経験ができたのも1つ収穫だと思います」
本大会まで残り8か月を切ったなかで、9月シリーズのアメリカ戦の後半には4バックも試していた森保監督。フォーメーションやWBの人選がこのチームの鍵を握るところなのかもしれない。

高萩洋次郎
高萩洋次郎(たかはぎ・ようじろう)/1986年8月2日生まれ、福島・いわき市出身。高校から広島ユースに入団。2003年4月のJ2湘南戦で、当時のJリーグ最年少記録となる16歳8か月3日で出場を果たした。同11月に17歳でプロ契約。2010年にナビスコ杯(現ルヴァン杯)でニューヒーロー賞を受賞。12年にはリーグ最多13アシストを記録し、広島の初優勝に貢献。ベストイレブンにも選ばれた。14年シーズン限りで広島退団後はウェスタン・シドニー・ワンダラーズ、FCソウルを経て、17年にFC東京に加入し、中心選手として活躍。その後は栃木SC、アルビレックス新潟シンガポールでプレーし、2025年1月に現役引退。日本代表では3試合に出場。




















