歴史的も勝利も…「浸透していない」 代表OBが指摘する課題「もう少し変えてみるとか」

前半はブラジルに押し込まれる防戦一方の展開に【写真:徳原隆元】
前半はブラジルに押し込まれる防戦一方の展開に【写真:徳原隆元】

【専門家の目|高萩洋次郎】日本はブラジルに3-2で勝利

 日本代表は10月14日、国際親善試合でブラジル代表と対戦し3-2で勝利を収めた歴史的な初勝利を飾った一方、この試合で見えた課題点を元日本代表MF高萩洋次郎氏が挙げている。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 後半3得点で逆転した一方で、前半には為す術なくサッカー王国の前に2失点を喫し、一時は大敗ムードも流れていた。高萩氏は「ハーフタイムの前にどう修正するか」と、課題点を挙げた。

「我慢強く戦うことが森保さんはすごく得意。2失点しても同じ戦い方を続けて、後半修正しましょうという考え方ができる監督なので、慌てずに後半どうやって戦うかを示せる。ただ、選手の中で前半もう少しどこかでスイッチを入れるとか、プレッシャーの掛け方をちょっと変えてみるとか、多分チャレンジはしていると思うのですけど、なかなか全体には浸透していない」と指摘する。

 高萩氏が語るように、前半ディフェンスラインはコンパクトにするも、前線はプレスをかけることなくブロックを敷いていた。そのなかで揺さぶられ、ブラジルの高い技術の前に2失点。前半32分で0-2にされたあと、どう反撃に出るかと思いきや、特に戦い方を変えず。ブラジルも日本が寄せに来ないならと、急いで攻めることなく省エネのまま時間だけが過ぎていた。

 それでも、「2失点した後の時間帯で後半のようにがんがんプッレシャーに行くようなプレーをできたらいいのかもしれないですけど、逆に我慢強く戦っていたからこそ3失点目をしないで逆転につながったという考え方もある。一概には言えないですけど、自分たちから前半のうちにアクションできるといいのかなと思う」と、戦い方を理解しつつももう一段階上のレベルに行けると解説した。

 高萩氏は森保監督とサンフレッチェ広島時代に3シーズン共闘しており、「選手の中で戦い方を変えるなどの判断ができる時間帯があってもいいのかなと思いますが、バランスを崩さず戦うことによって、この結果につながるという考え方を森保さんはしていると思うし、チームの中のことはわからないので何とも言えないですけど、結果が出ているという意味ではすごくポジティブな結果論」と、課題が出つつも勝利を収められたのは最高の結果と言及している。

「ブラジルに勝って歴史的な勝利という風潮になりがちですけど、何ができて何ができなかったか、試合前から試合後までしっかり分析する方。W杯に向けて何が必要かと常に考えていると思います」と、森保監督がどういう監督なのかを明かしている。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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高萩洋次郎

高萩洋次郎(たかはぎ・ようじろう)/1986年8月2日生まれ、福島・いわき市出身。高校から広島ユースに入団。2003年4月のJ2湘南戦で、当時のJリーグ最年少記録となる16歳8か月3日で出場を果たした。同11月に17歳でプロ契約。2010年にナビスコ杯(現ルヴァン杯)でニューヒーロー賞を受賞。12年にはリーグ最多13アシストを記録し、広島の初優勝に貢献。ベストイレブンにも選ばれた。14年シーズン限りで広島退団後はウェスタン・シドニー・ワンダラーズ、FCソウルを経て、17年にFC東京に加入し、中心選手として活躍。その後は栃木SC、アルビレックス新潟シンガポールでプレーし、2025年1月に現役引退。日本代表では3試合に出場。

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