日本代表FWが見せる「これ意味あるの?」 世界的名手を彷彿…代表OBが注目する「仕事人」の動き

日本代表の上田綺世【写真:Noriko NAGANO】
日本代表の上田綺世【写真:Noriko NAGANO】

【専門家の目|太田宏介】上田綺世が土壇場で同点弾

 サッカー日本代表(FIFAランク19位)は10月10日、キリンチャレンジカップ2025でパラグアイ代表(同37位)と対戦し、2-2のドローで終わった。土壇場でドローに持ち込んだゴールを決めたFW上田綺世について、元日本代表DF太田宏介氏が称賛している。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 まさにエース。出場からわずか5分で結果を残した。上田はベンチスタートとなったパラグアイ戦の後半44分から出場。アディショナルタイムを含め5分ほどしかなかったが、右サイドのMF伊東純也からのクロスを頭で押し込み、土壇場でドローに持ち込んだ。

「実際5分ぐらいしかなかったなかで、何ができるのだろうと思って見てたら点取っちゃので、もう仕事人ですよね。まさしくインザーギのようです」と、元イタリア代表の名ストライカーのフィリッポ・インザーギ氏の名を挙げつつ称賛した。

 準備を怠らないプレーが実を結んだ。一度ロングボールを跳ね返されたあと、こぼれ球は右サイドの伊東の元へ。ここで上田はバックステップを踏んで少し後ろに戻り、クロスに合わせてもう一度飛び込んだ。

 伊東のクロスはニアのDF瀬古歩夢にわずかに合わなかった。それでも動き直していた上田は、相手DFが見送るだけのなかダイビングヘッドで押し込んだ。「持ってますし、すごいですね」と太田氏は感嘆する。

「あのように愚直にやり続ける人にボールがやっぱり流れてくる。見てる人からしたら『これ意味あるの?』と思うような、本当に小刻みの準備やちょっとした1歩2歩をすごくこだわってると思う。その1歩2歩が勝敗を分けることにつながるし、自分の結果にもつながる。ゴール前であの動きを常に繰り返す選手なので、そこにいいクロッサーといいパサーがいて噛み合うと点取るなと見てて思う」

 さらに上田は所属するオランダリーグでもここまで開幕から8試合8ゴールと大爆発。得点ランクでも独走しており、「W杯前にエースと呼ばれるFWの選手が、所属リーグでも結果を出して、本大会を迎えるケースはあまりなかった。むしろ大会に近づくにつれて調子を落とす選手の方が多かった印象。調子を維持してW杯でも結果を残せば、間違いなくその先が見えてきますよね。非常に期待持てるし、ずっと持ってる選手なので僕個人的にすごく楽しみです。プレミアとか行ってほしいな」と、絶好調ストライカーに期待を寄せている。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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太田宏介

太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。

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