森保Jに感じた「あれ?」 浮き彫りになった課題…代表OBが指摘「もったいない」

代表OBがパラグアイ戦での課題を指摘【写真:森田直樹/アフロスポーツ】
代表OBがパラグアイ戦での課題を指摘【写真:森田直樹/アフロスポーツ】

【専門家の目|太田宏介】日本はパラグアイと2-2のドロー

 サッカー日本代表(FIFAランク19位)は10月10日、キリンチャレンジカップ2025でパラグアイ代表(同37位)と対戦し、2-2のドローで終わった。土壇場でドローに持ち込んだ一戦を元日本代表DF太田宏介氏が総括している。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 収穫と課題が浮き彫りになった一戦だった。日本は14日にブラジルとの対戦を控えるなか、ホームでパラグアイと対戦。試合は序盤から互角の展開となったが、前半21分にパラグアイに先制点を許す。しかしその5分後、FW小川航基の無回転ミドル弾で同点に追いついた。後半に入ると19分に再び勝ち越しを許す苦しい展開となったが、試合終了間際の後半アディショナルタイムにFW上田綺世が劇的なヘディングシュートを決め、土壇場で引き分けに持ち込んだ。

 まず太田氏は総括として、「パラグアイはW杯の南米予選、ブラジルやアルゼンチンと強豪と対戦しているなか、失点が少なくて堅守のチーム。親善試合で日本がホームとはいえ、この相手にまず2点取れたのはポジティブだと思います」と話すように、パラグアイは南米予選18試合で失点が10。一番少ないエクアドルが5失点と抜けているが、アルゼンチンと並び2位と堅守を誇っている。

 その相手に小川が放った無回転での同点弾、さらに終了間際には投入5分で結果を残した上田。「小川選手のミドルは、あまりあの形での得点は日本代表なかったじゃないですか。サイドを崩して、個で崩してから中で仕上げるのが多かった。そのなか個で点が取れる、ペナルティエリア外からたった1本のシュートで得点に結びつけられるのは、すごくいい。ボール自体も無回転でかなり止めにくいと思うので、あのゴールが生まれたのは非常にいいことだな、ポジティブだなと感じましたね」と言及している。

 そのほかにも、試合後の会見で森保一監督が名指してDF鈴木淳之介を称賛したことは「結構珍しい」と触れ、「DFは負傷者も多いし、彼まだ22歳。個々を見たらすごく良かった」と称賛した。

収穫を得たが課題も出た

 それでも課題は浮き彫りになった。特に1失点の場面では、MFミゲル・アルミロンが裏に走り出した際、マークに付いていたDF瀬古歩夢はオフサイドを狙う動きを見せたが取れず。「ちょっと失点の仕方もルーズ」と太田氏が指摘するように、シンプルなロングボールの裏抜けから決められた。

「おそらくオフサイドを狙いに行ったけど細かいところ、サイドの連係や個人の駆け引きの判断ミスはもったいないなとは感じましたね。個人の見解ですけど、(渡辺)剛はボールを見てるので、明らかオフサイドを狙える距離感ではなかったと思うから、リスクも踏まえてラインを気にせず、オフサイドを取りに行くのではなく付いて行った方が良かったとは思います」

 さらに日本の課題は出た。2失点目も太田氏は「もったいない」と指摘。カウンターを受けた場面、一度はクリアをした流れで、少し日本側は足が止まり緩んだ。そこから鋭いクロスに合わせられネットを揺らされ、「クロス対応のところも見てても『あれ?』みたいな場面で取られてる」と、守備の緩みについて解説している。

 中3日で迎えるブラジルとの一戦で、攻撃陣は引き続き強みを見せつつ、守備では改善が見られるのか、結果とともに注目だ。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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太田宏介

太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。

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