低迷クラブ主将の孤独と重責 前節痛恨ミスも…吹き飛ばしたサポーターからの一言「どうなったとしても」

横浜FMの喜田拓也【写真:徳原隆元】
横浜FMの喜田拓也【写真:徳原隆元】

前節・川崎戦のミスで「悔しさが全く消えず」

 横浜F・マリノスは9月20日に行われたJ1リーグ第30節アビスパ福岡戦に2-0で勝利し、4試合ぶりの白星を手にした。残留争いが続くなかでキャプテンのMF喜田拓也は、サポーターから受け取った言葉が心に火をつけてくれたことを明かしている。

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 横浜FMは前節、ホームで川崎フロンターレに0-3と完敗。0-1で迎えた後半17分、喜田は失点に直結するボールロストを犯してしまい、流れを完全に持っていかれてしまった。

 そんななかでも大島秀夫監督は喜田をボランチの一角で先発起用したが、喜田自身は「どんな人間であっても、どんなに凄い選手であっても、必ずミスはある。僕自身もできる準備は全てして、一生懸命戦って、全力を尽くしてのミスだったので、それは切り替えるしかない。でも、切り替えると言っても、悔しさが全く消えなかった」と胸中を明かす。

 自分に与えられた試練――。キャプテンとして大きな重責を担い、「孤独を感じることもある」という。「チームを勝たせたいがゆえに責任も感じていた。また1人で立ち上がらないといけないんだなと思っていた」。そのなかで、福岡戦のウォーミングアップでサポーターからかけられた言葉が心に落ちた。

「今日のウォーミングアップで出た時、サポーターの皆さんから『俺たちがついている』とメッセージを受け取った。そして、周りを見ればチームメイトがいて、チームスタッフがいる。改めてこのチームのために頑張りたいと思わせてくれたし、自分がどうなったとしてもこのチームの勝利のため、チームの勝利が全てと改めて思わせてくれた」

 第30節の結果次第では再び降格圏に後退する可能性もあったが、勝ち点25で並んでいた18位・湘南ベルマーレが名古屋グランパスに1-3で敗れ、横浜FMは目の前の福岡戦により集中できる状態となった。前半21分、7月に加入したFWディーン・デイビッドの今季2点目で先制すると、同42分にはDF角田涼太朗がコーナーキックに合わせて左足シュートを決め、2-0で4試合ぶりの白星を手にした。

「みんなの思いがこもった勝利だった」

 喜田は、冷静に勝ち点3を振り返る。後半36分までプレーしたなかで、チームを鼓舞するシーンは何度も見られたが、「チームが勝つために、どんな立場であっても、何ができるか。それをやったまで」と意図を口にした。

「チームとして苦しい時間帯は必ずある。そういう時にチームとしてどう振る舞えるか、チームとしてどういう戦いに持っていけるか。エネルギーを出して引っ張る、勇気を与える、まだ行けるんだと見せることは必要。それは必ずしも僕である必要はないけど、まだ行くぞということは示したかった」

 もっとも、18位の横浜FCとは勝ち点1差で、予断を許さない状況は続く。

「今日はみんなの頑張りのおかげで勝利が掴めた。続けて勝つことが今このチームには必要だと思うので、みんなで厳しく、激しく準備をして、また勝利を掴みたい」

 キャプテン喜田は与えられた試練と向き合い、チームと共に挑戦を続ける覚悟だ。



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