「町田のお株を奪っちゃおう」大学生が衝撃デビュー “飛び道具”披露も滲んだ悔しさ

Jリーグデビューを果たした横浜FCの細井響、ロングスローで先制点を演出
2026シーズンの横浜FC入りが内定しているMF細井響は、9月13日のJ1第29節のFC町田ゼルビア戦でJリーグデビューを果たした。そして本来、最終ラインや中盤の底でのプレーを得意とする22歳は、J1リーグで優勝争いを繰り広げる相手に、「初めてやった」という左ウイングバックで、攻守において爪痕を残した。
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細井を先発で起用した理由について、三浦文丈監督は町田のロングボールのターゲットの一人として、右ウイングバックに入ってくる日本代表MF望月ヘンリー海輝を警戒していたという。2日前にアウェーで行われたアメリカ戦(0-2)にフル出場した望月は、この試合途中出場だったが、MF増山朝陽が入っても「同じことをしてくるだろうな」と予想していた。ここで高さを封じられたことは、一つ横浜FCが町田に主導権を握らせない要因となった。
もう一つは、攻撃面だった。「ホソ(細井)はロングスローも投げられるので、町田のお株を奪っちゃおうかなと」と、ロングスローという飛び道具にも期待していたことを明かした。そして、実際に細井のロングスローから横浜FCは先制点を挙げた。
指揮官の要求に応えられた細井だが、いきなりの先発出場には「だいぶ緊張しました」と明かす。元日本代表の故イビチャ・オシム監督も、若手選手を抜擢するときに本来と異なるポジションで起用することがあった。そうしてデビューの緊張感を和らげるとともに、明確にやるべきことを理解させてより高い集中力を出させていたが、細井も三浦監督に左ウイングバックで起用されたことで、「ある程度、タスクもはっきりしていたので、確かにやるべきことはやりやすかったかもしれない」と、振り返った。
大学生である細井は、水曜日からチームに合流しており、ロングスローの練習も「前日練習でやったくらい」だったという。「本当はもう少し手前を狙ったつもりでしたが、良い感じに回転もかかって、良いところに流れてくれた」と、ゴール前のDF伊藤槙人の足元に届けた先制ゴールを奪うきっかけとなったロングスローを振り返った。
フル出場を果たした細井だが、「前半はやれた部分もあるけれど、後半は疲労もあって、自分のところからやられることも増えてしまった。まだまだ力が足りないと感じています」と90分を振り返り、「勝つためにやってきたので、結果が出なくて悔しい」「勝つために力になりたかったので悔しい」と、追いつかれて勝ち点1の上積みに終わったJデビュー戦に満足した様子は見せなかった。
J1残留争いの渦中にいる横浜FCにとって、新戦力の台頭は朗報と言えるだろう。「大学選抜での経験も、今回のJ初出場も、自分にとって来年につながる本当に良い経験になっていると思います。まずはそこに感謝する気持ちが一番強いです」と細井。JFA・Jリーグ特別指定選手として臨んでいるプロ入り前年度の充実感を口にした。



















