森保Jに現れた救世主「チームにとって大きい」 ”元同僚”に代表OBが太鼓判「相手は嫌がる」

【専門家の目|高萩洋次郎】元同僚・渡辺剛のプレーに注目
日本代表は現地時間9月6日、米カリフォルニア州オークランドでメキシコ代表と国際親善試合を行い、0-0で引き分けた。元日本代表MF高萩洋次郎氏はこの試合で攻守に躍動したDF渡辺剛について「真ん中にいるっていうのはすごくチームにとって大きい」と言及している。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)
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試合は日本が積極的なハイプレスで入り、MF久保建英の際どいシュートなどゴールに迫る場面も作った。後半に入ると、久保のチャンスメイクからFW南野拓実が右足のボレーシュートを放ったが惜しくも枠外に。試合を優位に進めつつ、チャンスも作り出したが、最後のフィニッシュの精度には課題を残した。守備ではセットプレーからピンチの場面も迎えたが、GK鈴木彩艶のセーブもあり0で抑えた。互いに堅い試合となり0-0で終わった。
そんななかこの試合で一番と言っていいほど安定したパフォーマンスを見せたのが3センターバックの真ん中を務めた渡辺だ。戦線が連動してプレスをかけるなか、相手がエースFWラウル・ヒメネスめがけて何度もボールを入れたが、渡辺が幾度となく相手のチャンスの芽を摘んだ。
「僕が一緒にFC東京でやっていた時も潰しの強さとかヘディングの高さとか、後ろから足を出して触る、突くのはすごい得意でそういうプレーが随所に見えた。相手の前線の選手を自由にさせたっていう印象がないんですごく良かったと思います。あとスピードもあるので、3バックの両脇が潰しに行ってそこの裏に相手が抜けた時のカバーも彼は自信がある。スピードがあるっていう意味ではセンターバックの真ん中に渡辺選手がいるっていうのはすごく大きいなって思いましたね」とFC東京で共闘歴のある渡辺の凄さや好プレーを称賛した。
さらに渡辺は守備だけでなく、前半15分に後ろでボールを持つと走り出した堂安律にロングパスを供給。相手DFがぎりぎりで触れない場所に落とし、抜け出した堂安はループシュートを狙ったもののゴールライン手前で相手DFに阻まれた。
「顔が常に上がっていますよね、しっかり見えているので前線の選手が動き出しやすそうだなっていう印象と、久保選手が降りたところに相手のディフェンダーが食いついてできた段差のところに堂安選手が飛び出すっていうシーンだったと思うんですけど、その連動もできているし、そうなった時に背後狙うよっていうコミュニケーションも選手間でできているんじゃないかなって思います。かなりピンポイントでキーパーも出られない、ディフェンスも触れないっていうようなところに落とすのは結構難しい。ああいうシーンが増えると、例えば、ボールが短くなって相手が下がりながらヘディングをしたとしてもセカンドボール拾って、また高い位置で攻撃ができる。全体が押し込んだ状態でペナルティエリアの周りで2次3次攻撃ができるので、背後に飛び出すプレーがあると相手は嫌がるんじゃないかなと思います」
渡辺はベルギーで長らく経験と積み、今夏オランダ1部フェイエノールトへと活躍の場を移した。さらに加入からすぐに主力として定着しチームを支えているが、日本代表でも好調を維持している。怪我人が続出しているDF陣の救世主となるのか。

高萩洋次郎
高萩洋次郎(たかはぎ・ようじろう)/1986年8月2日生まれ、福島・いわき市出身。高校から広島ユースに入団。2003年4月のJ2湘南戦で、当時のJリーグ最年少記録となる16歳8か月3日で出場を果たした。同11月に17歳でプロ契約。2010年にナビスコ杯(現ルヴァン杯)でニューヒーロー賞を受賞。12年にはリーグ最多13アシストを記録し、広島の初優勝に貢献。ベストイレブンにも選ばれた。14年シーズン限りで広島退団後はウェスタン・シドニー・ワンダラーズ、FCソウルを経て、17年にFC東京に加入し、中心選手として活躍。その後は栃木SC、アルビレックス新潟シンガポールでプレーし、2025年1月に現役引退。日本代表では3試合に出場。




















