代表OBが“大爆発”を予想 欧州日本人がエースとして活躍…「やっと始まった」

【専門家の目|太田宏介】フェイエノールトFW上田綺世に期待
欧州5大リーグであるプレミアリーグやブンデスリーガは今週末に開幕を迎えるなか、ベルギーやオランダではいち早く開幕している。元日本代表DF太田宏介氏に今季欧州で注目する日本人を聞いた。
(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)
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「上田綺世には凄く期待しています」
太田氏はオランダ1部フェイエノールトでプレーする日本代表FW上田綺世の名を挙げた。26歳の上田は23-24シーズンからフェイエノールトでプレーしており3年目を迎えたが、今季はサポーターからより一層期待が寄せられている。
「フェイエノールトに加入してからなかなかいい形でボールが来なかったり、いいクロスが来なかったりする中でこれまではプレーしてましたし、難しさもあったかと思います。ヒメネスっていう絶対的エースがいなくなって今季にかかるチームからの期待やプレッシャーもものすごく大きいと思う」
フェイエノールトには昨冬まで得点を量産していてたサンティアゴ・ヒメネスがいたが、イタリア1部ACミランへ移籍。昨季の上田はシーズン途中に負傷にも悩まされ、ヒメネスが移籍した直後も1か月ほど離脱していた。それでも復帰後はスタメン起用され、リーグ戦では21試合7ゴールを記録した。
そして今季はエース候補としてチームが始動すると、上田は今月2日のドイツ1部ヴォルフスブルクとのプレシーズンマッチで2得点と活躍。さらに9日のリーグ開幕戦でもゴールを決めて幸先のいいスタートを切った。
「今シーズン、プレシーズンからとても調子が良くて、開幕戦もそう。得点にも関わってますし凄く期待が持てる。エールディビジで今季爆発してほしいですね。さらにW杯も控えてますし、やっとチームのスタイルと上田選手のストロングな部分が噛み合ってきているなと感じてる。これまではゴール前ですごく良い動きだしや準備をしているのにパスやクロスが出てこないシーンはかなり多くありましたけど、今季は彼にボールが集まってきている。今年は楽しみですね」と、今季の爆発を予想している。
オランダに現役代表選手が移籍
さらにフェイエノールトには今夏、ベルギー1部ヘントから日本代表DF渡辺剛が加入。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)予選3回戦第1戦のトルコ1部フェネルバフチェ戦では好パフォーマンスを披露し、敗れたものの第2戦では2ゴールを決めてチームで躍動した。
「フェイエノールトには僕がFC東京で一緒にプレーした渡辺剛が加入しました。エールディビジは僕も経験したのでそれぞれのクラブの立ち位置も分かるし、雰囲気もわかる。あのフェイエノールトの圧巻のスタジアムの中で、プレーできること、戦えることがものすごく羨ましい」
さらにオランダリーグ全体で見ると、渡辺の他にドイツ1部ボルシアMGから日本代表DF板倉滉が名門アヤックスに加入した。他にもNECナイメヘンに小川航基、佐野航大、塩貝健人、スパルタ・ロッテルダムには三戸舜介、AZには毎熊晟矢が所属している。
「オランダってJリーグから移籍するとなるとユーロ圏外の選手には最低年俸が決まっていたりするので隣国のベルギーなどに比べたら移籍のハードルが高い。でも今シーズンはアヤックスに板倉滉が加入して、現役日本代表の選手がエールディビジに行くという選択が増えてきたのは、個人的にはとても嬉しいですし、楽しみですね」と、オランダリーグの内情や注目度が上がっている現状に言及している。
(FOOTBALL ZONE編集部)

太田宏介
太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。





















