CB転向わずか半年…目を奪われた187cm高校2年生 「カッコ良くて」憧れる“鹿島の番人”

第一学院の森島岬「鹿島アントラーズの植田直通選手がカッコ良くて好きです」
インターハイ茨城県予選準々決勝、元日本代表DF山根視来(LAギャラクシー)の母校でもある第一学院は、一昨年度のインターハイ覇者で昨年度の選手権ベスト8の明秀日立に1-2で敗れた。この試合、187センチの圧倒的なサイズと屈強なフィジカルで大きな存在感を放った2年生CB森島岬のプレーに目を奪われた。
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どこかぎこちなさも見られるが、空中戦では圧倒的な強さを見せ、球際でも積極的に足が出る。スピードもあって、裏のスペースにボールが出たときのスプリントも迫力があった。試合後に話を聞くと、彼はまだCBになって半年だった。
「僕のヘッドを生かすためにCBにコンバートをしてくれたのだと思っています」
それまではゴール前でのヘッド、ポストプレー、シュートを得意とする大型FWだった。だが、中学時代は成長期の真っ只中だったこともあり、思うように身体が動かなかったり、怪我に悩まされたりした。
中学3年間で20センチ伸びて180センチになると、高校1年生でさらに7センチ伸びて187センチになった。
「昨年はたまにトップのベンチに入れるくらいで、メインは県3部リーグのセカンドチームでプレーをしていました。なので、昨年末に高橋秀弥監督からコンバートを言われたときは嬉しかった。期待してくれているし、試合に出られるならばどこでも出たかったし、何より今のうちにいろんな経験をすることは自分にプラスになると思いました」
それまで背番号は19番だったが、新人戦で5番になり、5月の関東大会から2番に変わった。
「若い番号に切り替わったのはより期待の表れだと思ったし、CBとして対人、空中戦でチームに貢献したい」と意気込んで関東大会に臨むと、躍動感溢れる守備と、シュート力をフィード力に変換して活躍。準優勝と大会優秀選手に選出されるという大きな結果を残した。
わずか半年で、スポンジのような吸収力を見せている彼のもう1つの大きなポイントは早生まれであること。生年月日は2009年3月3日。4月、5月生まれの同級生とはほぼ1年違うことになる。つまり、まだまだ彼は伸びていく要素を持っているということになる。
父親は茨城の名門・水戸商業のサッカー部出身。負けず嫌いなところは一緒で、CB歴が短いから仕方がないという発想は一切持っていない。
「負けたのには理由が必ずある。だからこそ、きょうの負けはきちんと向き合いたいし、もっと自分の強みを出していきたい」
彼に将来像について聞いてみると、「鹿島アントラーズの植田直通選手がカッコ良くて好きです」と口にしたように、闘争心を身体全体から出して、空中戦、対人、そしてスキルを発揮する鹿島の番人のようなCBになること。
「このタイミングでぶつけられたら嫌だ、ここに立たれたら嫌だなど、FWにとって嫌な動きをしたいし、もしいつでもFWに戻ってもいいくらい、FWとの駆け引きや考えを生かしていきたい。どっちもできる選手になることも考えて、CBとして成長していきたいと思います」
意欲は十分。大きなポテンシャルを秘めた早生まれのバトラーは、今このときを全力でプレーする。
(FOOTBALL ZONE編集部)