解任、辞退…混迷のイタリア代表監督人事 レジェンドが“救世主”に浮上「ニーズに最も合致」

イタリア代表監督候補に挙ったジェンナーロ・ガットゥーゾ氏
イタリア代表は現地時間6月10日に2026年北中米ワールドカップ(W杯)欧州予選・第2戦でモルドバに2-0と勝利した。このゲームを最後に解任が決まっている監督人事の行方について、イタリアのサッカー専門サイト「トゥットメルカートウェブ・コム」では、後任の最有力が元イタリア代表MFジェンナーロ・ガットゥーゾ氏と報じた。
イタリアは今月6日の欧州予選第1戦でノルウェーに0-3と敗れ、イタリア・サッカー連盟(FIGC)はルチアーノ・スパレッティ監督の解任を決定。モルドバ戦に向け、昨季限りで監督業からの引退を発表していたクラウディオ・ラニエリ氏に就任を要請したと報じられていたものの、実際には断られたという。そのため、解任が決まっているスパレッティ氏がモルドバ戦を指揮して勝利する結果になった。
さらに、サウジアラビアのアル・ナスルから退任予定のステファノ・ピオリ氏が後任候補に挙がるも、すでに来季からフィオレンティーナの監督に就任することから就任が見送られる結果となった。
そうしたなかで、FIGCのガブリエレ・グラヴィナ会長の方針は2006年ドイツW杯で優勝したレジェンドメンバーを後任監督に据えること。ダニエレ・デロッシ氏やファビオ・カンナバーロ氏といった候補の名前も並ぶなか、レポートでは「ジェンナーロ・ガットゥーゾはFIGCのニーズに最も合致した人物であり、したがって最有力候補だ」と強調している。
また、前任のロベルト・マンチーニ氏の復帰という点について、退任後にサウジアラビア代表監督へ転身した経緯から「両者の関係は依然として最適とは言えず、マンチーニ氏のテクニカルな面での能力は疑いようがないものの、現時点では候補には挙がっていない」としている。
W杯の出場チームが48チームに増えたことにより、欧州予選は4チームから5チームで12組に分かれてリーグ戦を戦い、各組1位の12チームが本大会へ出場。2位の12チームと、各組3位以下のチームでUEFAネーションズリーグの優勝チームまたはUEFAネーションズリーグ暫定総合ランキングの成績上位4チームを加え、計16チームでプレーオフが行われる。このプレーオフこそ、イタリアが過去2大会連続で欧州予選敗退に追い込まれたトラウマ級のラウンドだ。
過去にW杯4回優勝の盟主イタリアが、3大会連続で予選敗退の憂き目に遭うわけにはいかない。グラヴィナ会長の責任問題も浮上するなか、後任監督選びに失敗は許されない状況にある。
(FOOTBALL ZONE編集部)