欧州クラブなのに「収入の約6割が日本から」 CEOが語る…地域を持たぬJリーグの役割

ベルギー1部シント=トロイデンが千葉県で小学生サッカー大会を開催した
ベルギー1部シント=トロイデンVVは6月7日、千葉県八千代市で小学生のサッカー大会「マルハン×シント=トロイデン VV カップ supported byキリンビバレッジ」を開催した。特別ゲストとしてDF谷口彰悟、MF山本理仁、GK小久保玲央ブライアンら現役選手も参加し、地域の方々と夢のような一日を楽しんだ。
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イベントでは、午前中に小学生のサッカー大会を開催。現役選手に加え、STVVアンバサダーの岡崎慎司氏、元サッカー女子日本代表の宮間あや氏と岩渕真奈氏、元サッカー日本代表のカレン・ロバート氏ら豪華ゲストが試合を見つめた。さらには、各ゲストが1人ずつ優秀選手を選ぶという緊張の瞬間も訪れた。
午後からは、組み立て式ボールを作成するワークショップや保護者も楽しめる大人のPK大会などのイベントを実施。合間を見ては選手やゲストが即席サイン会に応じるなど、近い距離でふれあう時間も多かった。最後には、直筆サイン入りユニフォームなど豪華景品が当たる抽選会もあり、大盛り上がりだった。
今年で3回目を迎えた「マルハン×シント=トロイデン VV カップ」。立石敬之CEOによると、スポンサーの数は「正確には把握していないですけど、感覚的には3倍くらいになった」という。明治安田生命、キリンなどの大手企業から焼肉屋さんまで多種多様で、「地域に認知されてきたと思います」と明かす。
マルハン東日本カンパニーが拠点を置いている千葉県八千代市で開催しているが、立石CEOは「どんどん違う場所でもやっていこうと思っています」と今後の展望について言及。「どちらかというと地域を攻めたいというよりは、マルハンさんの事業所のあるところを中心に一緒にやっている感じです」と話す。
では、なぜベルギーのクラブが日本でイベントを開催するのか。「今、シント=トロイデンには100社を超えるスポンサーがいて、収入の約6割くらいが日本からです」と立石CEO。「どちらかというと地域を持っていないJリーグクラブみたいな感じなので、こういったことができるのかな」と強みを明かした。
「なかなか海外のクラブだと、こういうことができないじゃないですか。きょう選手が来てますけど、こういうことをJリーグだといつもできる。そういう意味では(このようなイベントを)やれることにすごく意義を感じています」
東日本大震災の後には、復興支援の意味を込めて福島県でのイベントを開催し続けていたシント=トロイデン。日本人選手のステップアップの拠点としてだけではなく、地域を持たないJリーグクラブとしての役割を果たす唯一無二の欧州クラブだ。日本のサッカー界に大きく貢献していると言っていいだろう。
(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)