大抜擢、森保Jの“新戦力”5人 「アピール成功」で競争名乗りも…課題も明白「生き残っていくために」

A代表デビューを飾った3選手らの評価は?【写真:Getty Images】
A代表デビューを飾った3選手らの評価は?【写真:Getty Images】

DF関根大輝、MF平河悠、MF俵積田晃太、MF鈴木唯人、FW大橋祐紀に焦点

 日本代表の森保一監督は6月5日、敵地で行われた北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選・オーストラリア戦(0-1)で“新戦力”をスタメンに送り込んだ。国際AマッチデビューとなるDF関根大輝、MF平河悠、MF俵積田晃太の3人に加えて、出場1試合のMF鈴木唯人とFW大橋祐紀を初先発させた。フレッシュな顔ぶれとしてオーストラリア戦のピッチに立った“新戦力”5人をチェックする。

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■平河 悠(ブリストル・シティ/イングランド)
 右ウイングバックで持ち味のスピードと推進力を初舞台で発揮。オーストラリアDFを置き去りにするドリブルや、「どんな展開であってもきょうはシュート2本は打とうと決めていた」という強烈な左右のシュートなど新戦力5人の中では最も「アピールに成功した」と言えるだろう。中盤より前で経験値が高いのはキャプテンマークを巻いたMF鎌田大地のみという中で、内と外を使い分けて個だけでなく連係にもチャレンジ。あまり言葉数が多いタイプではないが、プレーで見せてやるという気概を感じた。右ウイングバックは堂安律や伊東純也と壁は高いが、激しい競争に名乗りを上げたい。

■鈴木唯人(フライブルク/ドイツ)
 先発の鎌田と、途中からはMF久保建英とシャドーでコンビを組んだ。オン・ザ・ボールでの突破力とフィジカルを生かした守備センスが光った。日本代表の課題の1つでもあるセットプレーでキッカーとしてさまざまな質のボールを蹴って工夫。何より目にみえるほどの“ギラギラ”の持ち主で、「必ず生き残る」というメンタルの強さは武器の1つ。ブンデスリーガへステップアップし、欧州ヨーロッパリーグを経験して磨きをかけてもらいたい。

■俵積田晃太(FC東京)
 序盤は持ち味となるタテのドリブル突破を積極的にみせ、チーム全体にリズムをもたらした。左のウイングバックで自身の役割を認識。時間が過ぎるにつれて、スペースを生かしたいシーンもあったが、21歳で迎えたA代表デビュー戦。鎌田との連係では相性の良さを感じさせた。この1試合で得たものも大きいだろう。今後に期待したい。

■大橋祐紀(ブラックバーン/イングランド)
 初先発で1トップ。相手は5バックで中央をガッチリ締められた中、突破口を見出そうとしていた。佐野海舟からボールを引き出したシーンや藤田譲瑠チマから動き出して受けた場面など、森保ジャパンで練習を積む経験値が生きていた。上田綺世や小川航基という存在を超えることは簡単ではない。それでも、このオーストラリア戦で森保監督が寄せた期待に応えるプレーを次からも見ていきたい。

■関根大輝(スタッド・ランス/フランス)
 待ちに待った初出場。緊張感なく、堂々と試合に入れたのはベンチ外ながらも最終予選を見守り、トレーニングをともにした自覚があったからだろう。DF陣の負傷者が出た時、右ウイングバック、右サイドバック、センターバック(CB)など複数ポジションをこなせる強みは森保ジャパンにとって必要。安定したプレーを求める一方で、3バック時には持ち上がって攻撃参加するなど、停滞するゲームにきっかけを与えるなどチャレンジングな姿勢も見たかった。

 森保監督はこの日、新戦力を多く起用した理由を「主軸を残して組ませた中で経験の浅い選手のサポートしながら思い切ってプレーしてもらうことも考えました。なぜやらなかったかというと、助けてくれるからいいプレーができたということにつながるかもしれない、と。助けてもらったからできるのではなくて、代表に生き残っていくためにも力があるというところを今回組んだ選手の中で自分の良さを発揮する、チームの良さを発揮するというところを実践してもらいたかった」と明かした。

 新戦力にとってはまたとないチャンスだった。だが、掴み切ったとはまだ言えない。この一戦をきっかけに、今回招集されたメンバーの心に火が付いたことは間違いないだろう。

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)

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