J1昇格→9位も…現実は「残留争い」 試合後に怒りの喝、指揮官が強く訴えた「1個のミス」

清水の秋葉監督がきっぱりと「残留争いするチーム」
清水エスパルスは6月1日のJ1リーグ第19節でセレッソ大阪とアウェーで対戦し、2-4で敗れた。開始早々にDF山原怜音の直接フリーキック(FK)で先制しながらも、自陣でのビルドアップのミスからPKを献上。この試合でC大阪を離脱するMF北野颯太のPKをGK沖悠哉がストップするも、直後のCKから失点を喫して流れを失った。結局、海外移籍目前の北野に2アシストを許す完敗となり、試合後の秋葉忠弘監督は怒りに震えていた。
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試合を振り返った指揮官は、「最高のいい入りをしたなかで、自らゲームを壊す。自分たちから崩れていく。まったくもってJ2でどう勝ってきたかを示すことができなかった。ただただ、自分たちでゲームをおかしくしてしまったなと思います。ここに北野選手のお祝いに来たのでもなんでもないのに、あんなゲームにする。毎試合4点も5点も取られたら、勝てる試合なんて1つもない。VARだ、PK失敗だ、で何度も助かっているのに、何点取られているんだっていう守備ですから。もう1回しっかり自分たちに矢印を向けながら、より強度の高い、よりゼロにこだわった守備をしないと。これで(シーズンの)半分が終わりましたが、負け越しが決まりましたし、得失点もゼロ。はっきりもう残留争いするチームだと思います。この力のないクラブをどう残留させるのか。しっかりと現実を見据えながら、残り19試合、残留できるように。必死になって戦おうと思います。以上です」と一気に語った。
事の発端は、DF住吉ジェラニレショーンの軽率なプレーだった。自陣でボールを失い、そのままエリア内に運ばれたところで、北野を倒してPKを与えてしまう。その後、FW北川航也が負傷交代してキャプテンマークを巻いたが、ハーフタイムに途中交代となった。
秋葉監督は選手名こそ出さなかったが、「失点もそうですが、最初のミスパスから。何事もないイージーなパスから、ゲームを壊す、流れを壊す。あれだけFKで最高の入りをしているなかで、たった1個のパスでゲームが壊れるこの怖さをしっかり把握しなければ、何回でもゲームは壊れる。あれだけ良い入りをしたなか、たった1人の、たった1個のミスでこういうことが待っていることを、全員が把握しないと、そういうミスが起こる」とチーム全体に向けて語気を強めた。
そして、「いつも言っていますが、トライするミスとか、ゴールへ向かうミスはいくらでも構わない。でも、あんなミスは絶対に許さない。あんなことをやっている選手がいるチームが、勝てるわけありません。そういう緩さが出ないように、ああいう緩さみたいなものが二度と出ないようにやっていきたい」と続けた。
この試合でもう1つ目立ったのが、最初の2失点を喫したコーナーキック(CK)での守備の脆さだ。ヴィッセル神戸戦でも露呈していたが、秋葉監督は「前後半で守備のやり方を変えました。もう一度、守備のところをどうするか、しっかり見直さなきゃいけない」と言い、前日の練習が雷の影響で途中で中断となり、最後の細かな確認ができていなかったことを明かした。
「改めてトレーニングって大事だなと感じさせられました。昨日、ほとんどトレーニングできない状態できましたから。前日の軽めのトレーニングとはいえ、やっぱり大事なんだなと、改めて感じることができました。もちろんアクシデントで、天候の問題だったのでどうしようもなかったのですが、これもいい教訓にして、もっと何か後押しができるようにスタッフもやっていきたい」と、突き詰めていく方法を模索していくと語った。
前半戦の19試合を終えて7勝4分8敗で9位とした清水。それでも降格圏の18位FC東京との勝ち点差はわずか6と今季はまれにみる大混戦になっているだけに、チームから隙をなくすように強い口調で語り続けた。