プレミア得点トップ7ゴール…プロ注目186cm高校生 監督の予言的中「必ず伸びてくる」

流通経済大柏の大藤颯太「このサイズなので周りの期待値は高いと思う」
プレミアリーグEASTにおいて6勝1敗2分と首位を走る流通経済大柏。この快進撃を最前線で支えているのが、7ゴールで得点ランキングトップを走る186センチの大型ストライカー・大藤颯太だ。
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昨年の主戦場はセカンドチームのプリンスリーグ関東2部。それでも魅力的なサイズと、懐の深いボールキープ、裏抜けもできるという特性を生かして、プレミアEASTでは8試合に出場して1ゴールを挙げている。
「サイズだけではなく、ゴールに対するアプローチも形を持っている。必ず伸びてくる存在だと思った」と榎本雅大監督も大きな期待を寄せ、1年生のときからスタッフとともに手塩にかけて育ててきた選手だけに、最終学年で大ブレイクを遂げたのは必然だった。
もちろん、このブレイクは彼の成長もあってのことだが、2トップとしてパートナーを組むFW金子琉久の台頭も大きな要因の1つだった。174センチと大型ではないが、屈強なフィジカルと俊敏性を兼ね揃え、収めることもできるし、抜け出して仕掛けることもできる金子の存在は、大藤の能力をより引き出した。
「僕がボールをキープしたときに、金子がすぐに近くに来てくれるので、そこで叩いてから動き直して裏を取ったり、ゴール前に走り込んだりできるようになった。周りとの距離が近くなって、よりワンタッチプレー、ターン、プレーの連続性を意識できるようになって、ゴール前に入っていくバリエーションが増えたと思います」
開幕戦の浦和レッズユース戦では、金子のオープニングゴールをアシスト。金子のプレミアデビュー戦に華を添えた。第2節の昌平戦でFKから頭で押し込んで今季初ゴールをマークすると、第4節のFC東京U-18戦では金子のラストパスを豪快に蹴り込んだ。続く横浜FCユース戦で1ゴール1アシスト、第6節の前橋育英との選手権決勝リベンジマッチでは鮮やかなドリブルシュートを叩き込んだ。
そして第8節、同じ千葉県のライバル・市立船橋戦では今季初の2ゴールを叩き込んで、3-0の快勝の立役者に。
「ずっと2点目が奪えなくてモヤモヤしていたので、ようやくという感じです。特に前橋育英戦はもう1、2点決める決定機があったのに、ポストに当てたり、外したりと勝利に導けなかった責任を感じていたので、点を取るだけではなく、勝たせられる存在になっていきたいと改めて思いました」
直近の第9節・青森山田戦では先制を許す展開となったが、失点直後にMF山元琉士のクロスを右足で合わせてすかさず同点に。これで息を吹き返したチームは後半25分にFWオゲデベ有規が決めて、2-1の逆転勝利を飾った。
実はプレミアEASTにおいて、流通経済大柏が市船に勝利したのは2020年以来5年ぶりのことで、青森山田に対しては2014年の開幕戦以来、実に11年ぶりのことだった。まさに大藤は長らく閉ざされた歴史を塗り替える貴重なゴールをこの2戦連続で叩き出したのだった。
「このサイズなので周りの期待値は高いと思う。今、僕は点を取れていますが、金子も凄くいいFWだし、ほかにも力のあるFWが多いので、ここで満足をしていたら簡単に抜かされてしまう。結果を出しても安心できないこの競争は本当にいい刺激になっています」
彼の言うとおり、金子も5ゴールで得点ランキング3位につけており、バネのあるFWオゲデベ有規、U-17日本代表のメンディーサイモン友、すでに1ゴールを挙げているスーパールーキー・熊木虎太郎とライバルはずらりと揃っている。逆に言えば、この厳しい競争の毎日を続けてきたからこそ、今の覚醒がある。
「悔しい思いを味わうことの方が多かったけど、何くそと思ってやってきました。それはこれからも変わりません」
プロ注目の大型ストライカーはより貪欲に進化と結果を求めながら、これから始まる一発勝負のトーナメントのインターハイ予選でも、変わらぬメンタリティーでチームを牽引していく。また新たな歴史を塗り替えるために。
(FOOTBALL ZONE編集部)