佐野海舟「サッカーやめる考えも」 黒スーツで謝罪会見…留置所で「自分を見つめ続けて」

6月シリーズで1年4か月ぶりに日本代表へ復帰
ドイツ1部マインツに所属する日本代表MF佐野海舟が5月28日、昨年7月に不同意性交の容疑から釈放後、千葉県内で初めて国内での取材に対応し、謝罪した。黒のスーツ、紺のネクタイ姿で現れ、約3秒頭を下げた。佐野は硬い表情で「ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした」と話した。
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佐野は昨年7月中旬に不同意性交の容疑で逮捕され、同7月下旬に釈放。同8月上旬に不起訴処分となった。今回、釈放後初となる国内での取材対応で、謝罪会見を開いた。「自分の口から話さないといけないと思いました」と言い、「自分1人のサッカー人生ではない。自分に対する賛否はあると思っていますし、日本のサッカーのために戦うしかないと思っているので、昨年の自分の行動によってたくさんの方々にご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。サッカー面は言動行動で自分にできることを考えて、社会に貢献し続けたいと思っています」と語った。
「日々できることを考えてやっているつもりではあったけどできていなかった。見つめ直した期間を忘れないようにやっていかないといけないと思っている。サッカーができないというのはもちろん思いましたし、自分の行動という面で反省することもありますし、本当に自分を見つめ直して考えていた。行動につなげていかないと思っていたので、口だけではなくて行動で示していきたい。その気持ちを必ず忘れてはいけないと思っている。自分のためというよりかは、関わってくださったみなさんのために自分はサッカーを頑張らないといけない」
具体的な内容はプライバシーに関することもあり、「申し訳ないですけど自分の口から回答することはできない。自分の行動に反省を持っています。認識の甘さはありましたし、行動の部分で甘さはありましたし、そこをどう直していくかを考えてやっています」と回答した。
この日は6月シリーズに臨む欧州組の自主トレが行われ、森保一監督とも対面。「覚悟を持っていると伝えた。自分に矢印を向けてやり続けたいと思っている」とした。さらに「サッカーやめるという考えはありましたし、(マインツへの移籍を控えていた)大事な時期に甘さがあったと思う。サッカーをやるチャンスがもらえた以上は、自分もしっかりやっていかないといけないと思いました。マインツでサッカーができるとなった以上、自分がやらないといけないと思いましたし、今は本当に感謝しています」と葛藤も明かした。
自らの行動を鑑みて、留置所では行動を反省した。「自分を見つめ続けて考えていた。当たり前のことを忘れてはいけないし、自分は欠けていたと思う」。
今回は昨年のアジアカップ以来、1年4か月ぶりの日本代表への復帰。MF守田英正やMF田中碧らが招集外となったため、”中盤の要”として活躍することが期待される。「自分の武器というものを出さないといけないと思っているし、自分はここで何も残していないので武器を出していきながら存在を高めていけたら」と話した。
佐野は昨夏にドイツ1部マインツへ移籍。今シーズンはブンデスリーガ全34試合に先発出場し、リーグナンバーワンの総走行距離393.7キロを記録するなど、欧州1年目を充実のシーズンとした。クラブもUEFAカンファレンスリーグ出場権獲得の6位と躍進。佐野自身はほかにもインテンシブラン(2700回)とデュエル勝利数(369回)はいずれもリーグ4位という高水準のスタッツを残した。
ドイツでは現地の病院を訪問したり、サッカー教室を開催するなど、社会貢献活動にも尽力してきた。日本代表として臨む6月シリーズでは弟の航大(NECナイメヘン)も初招集された。「自分が選ばれることによって多少は弟という存在で矢印が向けられることもあると思う。でも弟は実力で選ばれたというふうに思っているし、二人でもここからが本当に大事だねと話した」。まずは6月に臨むオーストラリア戦(パース)、インドネシア戦(大阪)を全力で戦う。