日本が獲得した16/18 膠着展開を打破…英記者が指摘した中国との差「肩まで抜けた存在」【コラム】

日本がハプニング続出も力の差を見せつけた【写真:Getty Images】
日本がハプニング続出も力の差を見せつけた【写真:Getty Images】

中国に3-1勝利、英記者が戦いぶりを称賛

 森保一監督率いる日本代表は11月19日、2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第6戦で中国とアウェーで対戦し3-1の勝利を収めた。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材中の英国人記者マイケル・チャーチ氏がこの試合を総括。完全アウェー連戦のなか、序盤こそ攻めあぐねる展開が続いたものの、セットプレーから状況を打破し、うまく順応を見せた日本代表を称賛している。

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 11月シリーズを終えた日本代表は、また一歩ワールドカップ(W杯)出場に近づき、確実に視界に捉えた。3月のバーレーン戦に勝利すれば、日本は2026年のFIFA北中米W杯への出場権を獲得した最初に国になる可能性があり、これまでの相手を圧倒してきたサムライブルーの戦いぶりを見れば、その栄誉はふさわしいものと言えるだろう。

 森保一監督はインドネシアでの試合から短期間であったこと、さらにジャカルタからアモイへの移動を考慮してメンバーに変更を加えたのかもしれない。だが、9月に大敗を味わっていたブランコ・イヴァンコピッチ監督が率いる中国は、リスクを冒すことをしなかった。

 これは密集した守備、そして被害を最小限に抑えることを切望するチームによるチャレンジ精神と人数を欠いたカウンターによる運試し的な攻撃に、日本が直面することを意味していた。

 日本にとってはもどかしい序盤となったが、このチームはすでに時間が過ぎるのを待つことを学んでいる。それは金曜日にジャカルタでも見られたもので、サムライブルーは不安定な敵地でのピッチコンディションを乗り越え、着実に相手を打ち砕いていった。

 今回の試合も、その試合に似ていた。中国の攻撃面での脅威はほとんどなかったが、中盤や最終ラインの裏にスペースがなかったことで、森保監督のチームも少ないチャンスを確実に生かさなければいけなかった。

 この状況でセットプレーは試合を動かすカギになることが多いが、アモイでも再びそれが証明された。

 久保建英は序盤の攻防の中で存在感を示して、伊東純也との連携でホームチームの守備の穴を探って突いていった。彼が遠い距離から放ったシュートがワン・ダレイに弾かれて得たコーナーキック(CK)から先制点が生まれた。

 久保のCKは素晴らしかったが、小川航基のヘディングもクオリティの点では同等だった。そして日本は試合を変える先制点を手に入れた。反撃に出なければならなくなった中国の守備が少し緩くなったことで、日本は試合を支配するために必要だったスペースを手にした。

 ハーフタイム目前に板倉滉が再びCKから決めた追加点は、日本にとってボーナスだった。ところが一瞬の集中力の欠如によって今予選で初となる相手選手によるゴールをリン・リャンミンに許してしまった。

 しかし、その直後に小川がヘディングで3点目を決めた。これによって日本は意のままにゴールを決められること、そして両チームにある間のレベル差が、埋めがたいものであって結果に影響しないことを示唆した。

 この結果、日本は5勝1分けで獲得できる勝ち点18のうち16を獲得した。日本は北中米での本大会へ順調に進んでいる。

 森保監督のチームは、戦前から一貫してこのグループを突破する本命だった。だが、それが達成されようとしている道程を見れば、日本は対戦相手に対して頭だけではなく、肩まで抜けた存在であることがこの予選で示された。すでに日本の予選突破は確実であり、残る問題はW杯出場決定がいつになるかだ。

(マイケル・チャーチ/Michael Church)

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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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