日本代表GKを「一発退場にすべきだった」…元審判員が異論、危険プレーに渦巻く議論
パルマ鈴木彩艶、ナポリ戦2枚目イエロー判定に元セリエA審判員が見解
イタリア・セリエAのパルマに所属する日本代表GK鈴木彩艶は、現地時間8月31日の強豪ナポリ戦で開幕3試合連続のスタメン出場を果たすも、後半30分に2枚目のイエローカードを受け退場処分に。元セリエA審判員は、このプレーを「一発退場にすべきだった」との意見を発している。
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鈴木は初戦のフィオレンティーナ戦、第2戦の名門ACミラン戦と、ミスもあったが好プレーを連発して高い評価を得ていた。このナポリ戦も前半40分に混戦の中を抜けてきたFWクビチャ・クワラツヘリアのシュートを鋭く反応してセーブし、後半10分にもクワラツヘリアのミドルをセーブしていた。
しかし後半30分、最終ライン背後に抜けてきたボールへ飛び出すとワンバウンドで合わせボレーキックでクリアしたものの、そのまま足が相手選手に当たってしまう。主審はこのプレーで鈴木にイエローカードを提示し、後半18分に遅延行為で1枚目を受けていたことから退場処分になってしまった。
前半の早い時間にPKで先制していたパルマだが、この時点で交代枠を使い切っていたことから残り時間はDFエンリコ・デルプラートが即席のGKに。12分ほどの長さになったアディショナルタイムの間に2失点して逆転負けを喫した。
この退場劇についてはファビオ・ペッキア監督が判定に皮肉めいた言葉を述べ、イタリアメディアの中にも先にボールに触れたことから厳しい判定という声もあった。一方で、「ラジオ・プント・ヌオーヴォ」に出演した元セリエA審判員のマッシモ・キエーザ氏は別の見解を述べている。
「(その試合を担当した審判の)トレモラーダはいい仕事をしたが、鈴木に対する判定には同意できない。2枚目のイエローカードではなく一発退場にすべきだった。彼のファウルは危険なものだった。GKがペナルティーエリアを飛び出した時、彼はほかのフィールドプレーヤーと同じ扱いになる。ネレスにしたような、あのような形で足を残してはならない」
イエローカード2枚も1枚受けている状態での退場処分も、その試合のピッチをあとにしなければいけないという点では同じだ。一方で、自動的な1試合出場停止になるのか複数試合の出場停止になる可能性があるのか。あるいはフェアプレーポイントや累積警告の加算枚数に違いはあり、レフェリーやリーグの考え方や判定基準を示すという意味の違いもある。
いずれにせよイエローカードを1枚持っている状態、ペナルティーエリア外のプレーという観点からも判断はやや軽率だったか。代表活動を終えた初戦は出場停止になる鈴木だが、セリエA初シーズンで多くの経験を積みながら成長する姿が期待される。