選手たちが進言していた3バック採用 森保J、最終予選のオプション完成なるか…追求すべき理想形【コラム】
ミャンマー戦で浮き彫りになった課題は臨機応変に対応
森保一監督率いる日本代表は6月8日、広島市内で北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選グループB最終節シリア戦(11日)に向けて練習を再開した。攻撃的な3バックをスタートから初挑戦した6日のミャンマー戦は5-0で圧勝。チームは前日7日に帰国し、この日広島入りした。ミャンマー戦でベンチ外だったDF冨安健洋はすべて公開された練習のフルメニューを消化。MF久保建英とDF長友佑都は途中から別メニューとなった。最後には冨安、DF板倉滉、DF町田浩樹の東京五輪世代トリオが“居残り”3バック練習も行った。ミャンマー戦では90分とおして挑戦した新スタイルの“理想形”を探る。
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雨がしとしと降る広島で日本代表が再スタートを切った。約2000人のファンが観戦に訪れ、大きな声援を送るなか、ミャンマーからの過酷な移動を終えたチームは約1時間練習。全体練習が終わると、3バックの右に冨安、中央が板倉、左ストッパーに町田が入って並び、ロングボールの対応を確認。6月シリーズは最終予選に向けて新たな攻撃的な3バックに挑戦しており、シリア戦ではこの東京五輪世代センターバック(CB)トリオが並ぶ布陣で臨む可能性もある。
ミャンマー戦では守備の時に3バックに加えボランチのMF守田英正が1枚残り、相棒MF旗手怜央が前線の攻撃に参加する形で厚みをもたらしていた。この日、スタートから3バック起用を指揮官が決断したのが当日。非公開の練習では3バックも4バックも併用していたという。そのなかで、守田は「自分が守備の時、練習で前日にハマらなかったこともあって3バックでいきたいという話をした」と明かしていた。
相手の強度の問題もあるが、前半は3バックが横並びとなっていたため、相手と入れ替わられるシーンも見られた。ハーフタイムに全員で声を掛け合ったことで、後半の頭からは左右のストッパーが中央DF谷口彰悟の斜め前のポジションを取ったことで、右ウイングバックで苦戦していたDF菅原由勢へボールが渡るようになった。
シリア戦、そして最終予選では相手の決定力も高まってくる。そのなかで、攻撃に軸を置きながら守備で後手に回らないことが必要になる。3バックと4バックを攻守で“可変”させながらオプションの質を高めることがシリア戦では求められるだろう。
シリア戦で冨安の起用が叶うならば、より戦術に深みが増すだろう。最終ラインからの統率に期待が懸かる。
森保監督にとって、“凱旋”の広島戦。平和を願うサンフレッチェ広島の新スタジアム「エディオンピースウイング広島」で、相手は内戦に苦しむシリア。運命のめぐり合わせとなる一戦で、森保監督が望む3バックの「理想形」に近づけることができれば最終予選の大きな力となるだろう。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)