ヴィニシウスの目の前で号泣…日本人女性記者に海外脚光「人種差別で涙が止まらない」

ブラジル代表のヴィニシウス・ジュニオール【写真:ロイター】
ブラジル代表のヴィニシウス・ジュニオール【写真:ロイター】

会見場で質問も…感情込み上げ思わず号泣

 ブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールが、人種差別と闘う現状を涙ながらに訴えた会見が反響を呼んだなかで、1人の女性日本人ジャーナリストが会見場で涙した光景が海外メディアで話題に。スペインメディア「Relevo」は長年ブラジル代表を取材する日本人記者に直撃し、涙の背景に迫っている。

 現地時間3月26日に行われたスペイン代表対ブラジル代表の一戦は、ワールドカップ優勝経験国対決という側面があった一方で、反人種差別を目的に企画されたことでも注目された。ブラジル代表のヴィニシウスは、スペイン1部レアル・マドリードで世界屈指のアタッカーとして躍動も、試合中にファンから度々人種差別の標的に遭うなど、深刻な問題へ発展している。

 スペイン代表戦に向けた会見で、ヴィニシウスは「人種差別主義者が自由である間、私は多くの侮辱を受けている。 彼らは罰せられない。日が経つにつれて、そのことがますます悲しくなる。彼らが私を侮辱するので辛い。近い将来、他の誰にも同じようなことが起こらないように私は戦う」と語った。

 会見では辛さを思い涙する場面も。罪のないブラジル人アタッカーの様子が大きくクローズアップされたなかで、1人の日本人女性記者が流した涙が話題に。ヴィニシウスを見つめながら質問をしようとすると苦しみに耐える姿から感情が込み上げ、思わず号泣。ヴィニシウスから「落ち着いて」と促されながら言葉を紡いだ。

 この女性ジャーナリストは藤原清美さん。長年ブラジル代表チームや選手を取材し、リオデジャネイロを拠点に取材活動をするなかで、今回の代表戦にも取材に訪れていた。この姿に注目したスペインメディア「Relevo」は「彼女は涙を抑えることができなかった」と伝え、藤原さんの涙の背景に迫っている。

 記事では藤原さんに直撃取材した内容が伝えられ「彼女は1998年からブラジル代表を取材しており、マドリードの選手が受けた人種差別のせいで涙が止まらないと『Relevo』で断言している。彼女はヴィニシウスの人生について詳しく知ったあと、ヴィニシウスの闘いを自分のことのように感じていると述べた」と紹介した。

 藤原さんは「Relevo」に対し「彼はレアル・マドリードに到着し、選手としてその適応プロセスを経た。彼は良いプレーを始めたが、今は人種差別に直面している。なぜなら彼は常に人種差別と向き合わなければならないからだ。今は私たちがサポートしなければならないので、涙が止まらない。彼は特別な存在だから、ジャーナリストであること、そして側にいられることを誇りに思う」と語り、差別と闘うヴィニシウスに思いを馳せた。

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