柏木陽介氏が明かした本当の引退理由「面白くない」「しんどい」と語った現代サッカーの流れ

昨季いっぱいで現役引退をした柏木陽介【写真:Getty Images】
昨季いっぱいで現役引退をした柏木陽介【写真:Getty Images】

柏木が内田氏の番組に出演

 元日本代表DF内田篤人氏がMCを務めるスポーツチャンネル「DAZN」の番組「内田篤人のFOOTBALL TIMES」に、昨季限りで引退した元日本代表MF柏木陽介氏が出演。自身の引退について語った。

 現役を引退して3か月の柏木氏は「楽しい。全然、ホンマにサッカーしたいというのはない」と言う。内田氏が驚いて「動いてない?」と聞くと「動いてはいる。でも、それは太らないために」と言って笑わせた。

 現在はFC岐阜のクラブアンバサダーとしてクラブや岐阜県を盛り上げる活動している柏木氏は、内田氏に岐阜県のおすすめスポットを次々と紹介。内田氏が慌てて「あ、もういいです」と打ち切るほどだった。

 自身の引退については、「最初に奥さんに言った。一昨年、アキレス腱を切った時に『もしかして辞めるかも』と伝えたら、『あなたのサッカー人生だから、私はあなたの意見を尊重します』という感じだった」と、家族間のやり取りを明かした。

 引退の決め手になったのは、サッカーの変化も理由の1つだという。「最終的には今のサッカーのスタイルについていけないというか、面白くないというか。フィジカル重視になってきたけれど、フィジカルゼロの人間がフィジカルを求められたらしんどい。技術と予測と運動量でカバーしていたのが、スプリントの回数や強度を求められるとね。J3はどっちかというと戦いなので。いくら上手くても、強度って言われたらそれまでかなと。だったら、遊びで楽しくサッカーをする方に走りたいなと思った」と、説明した。

 周囲から「走れていないわけじゃないんだから」と引退を思いとどまるように言われても、「僕のなかでは辞め時だった。ここがベストだと思った」と、決断が揺らがなかったという。

 浦和やサンフレッチェ広島といったビッグクラブでプレーしてきた柏木氏だが、キャリアの最後はそれまでのクラブと比較すれば小さなクラブであるJ3のFC岐阜でプレーした。岐阜でプレーすることで、「(J1の環境を)当たり前に思っちゃダメだなと思った。当たり前に洗濯をしてもらって、いろんな準備をしてもらってとか。やっぱり自分で何かをするとか、練習場が変わって、シャワーを浴びられない環境で練習するとか。学生時代は当たり前のことだったし、これを経験するのは、すごく大事だった」という柏木氏は「ただ」と語気を強めた。

「こういうチームが増えていかないようにもしたいなと思った。サッカー界の全員がプロとして、ちゃんとクラブ施設もあり、グラウンドがあり、そこから動くことがない状況を日本サッカー協会は作っていかないといけない。そこは、こっち(浦和や広島)も見れらたし、こっち(岐阜)も見れらたのは大きかった」と、環境面でのボトムアップの必要性を熱く訴えた。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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