「俺は認めない」 現役引退を決断の松井大輔、“キング・カズ”への報告の裏側を告白

松井大輔は2月19日にインスタグラムで引退を発表【写真:Getty Images】
松井大輔は2月19日にインスタグラムで引退を発表【写真:Getty Images】

2月19日にインスタグラムで引退を発表

 元日本代表MF松井大輔氏は、2月19日に自身のインスタグラムで現役引退を発表した。元日本代表DF内田篤人氏がMCを務めるスポーツチャンネル「DAZN」の「内田篤人のFOOTBALL TIME」に出演し、自身が引退を決断した理由を語った。

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 2021年10月にベトナムのサイゴンFCからFリーグのY.S.C.C.横浜に加入してフットサルを始めた松井氏は、その後、J3のY.S.C.C.横浜でもプレーし、フットボールの二刀流選手となった。昨シーズンはコーチ兼任でプレーを続けていたが、シーズン終了後に退団して無所属になっていた。

 そんな松井氏は自身のインスタグラムで2月中に引退を表明したが、内田氏は「なんでやめたんですか?」と質問。松井氏は「(Y.S.C.C.横浜に所属していた)9月くらいに大学生と練習試合をやったの。それで股抜きされたの。最初に股抜きされたら、怒って削りに行くじゃん? それがボールと一緒に削りに行ったけれども1回目で届かなかったの。その時点で『あ、もう終わったな』と思ったの」と、練習試合でのエピソードを明かした。

「自分のなかでの秤じゃないけれど、『大学生に股を抜かれているプロってねえな』『これで辞めよう』って思った。雨の中。それで、またそこで怪我もしちゃったから」と言ってから、「2回目は削りにいったよ。ちゃんと」と、付け加えた。

 内田氏に「身体がきついとか、そういうことなのかなと思っていた」と言われると、松井氏は「身体もきつかったよ。大きい怪我はないから、やろうと思えばできる。でも、それもあるよ、きついなっていうのは。でも、大学生に股抜きされたことのほうが大きい。だって嫌じゃない? 俺はもうすごくショックだった。9月の雨の中の股抜きで『俺はもう辞めなきゃいけない』と思った。これはいかんとね」と、日本サッカー史屈指のテクニシャンは悔しそうな顔をした。

 さらに内田氏は「家族には言いましたか?」と聞くと、松井氏は「一応ね、言っていたと思うよ。9月くらいに。『もう俺は……』って。でも、(伝えても)無反応なの全員。テレビでテロップが流れていくみたいに、引退の話もそのまま流された。誰も『ストップ(引退を辞めて)』って言わないで、全員、テレビ見ていた」と、一大決心に関心を示されなかったことを笑いながら振り返った。

 引退の決断は、プロ1年目で京都パープルサンガ(現京都サンガF.C.)の時にチームメイトで、それ以降のつながりがある元日本代表FW三浦知良には伝えたという。その時のやり取りについては、松井は「カズさんに『カズさん、僕もう辞めようと思うんですけど』って言ったら、『おう。5月までやっておけ』って、帰国するまでは続けるように言われたんです。でも『カズさん、俺、明日発表するんです』って返したら『分かった。でも、俺は認めない』みたいな」と、57歳でも現役プロ選手としてキャリアを続けている先駆者には、引退を認められなかったことを明かした。

 現在42歳の松井は24年にわたってプロのキャリアを続け、13クラブ5か国でプレーした。華麗なプレーでスタンドを沸かせるとともに、2010年の南アフリカW杯では日本代表の16強進出にも貢献した。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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