久保建英が会場の雰囲気を一変 即アシストの“役者”へ森保監督の思い「次以降どう起用するか…」【現地発】

日本代表の久保建英【写真:Getty Images】
日本代表の久保建英【写真:Getty Images】

後半39分から出場して即アシストをマーク

 森保一監督率いる日本代表は1月14日、アジアカップのグループリーグ初戦でフィリップ・トルシエ監督が指揮を執るベトナムと対戦して4-2で勝利した。昨年末から負傷でドーハでも別メニュー調整が続いていたMF久保建英(レアル・ソシエダ)は先発を外れたものの、後半39分から出場。即アシストをマークして違いを見せた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

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 ベンチから戦況を見守った久保の存在はやはり大きかった。日本は前半11分にMF南野拓実の先制点でリードするも、5分後にはベトナムに左コーナーキックをニアサイドで合わせられ、FWグエン・ディン・バクのヘディングシュートはGK鈴木彩艶の頭をふわりと越えてゴールへ。あっという間に同点に追い付かれた。

 日本は序盤からベトナムのハイラインに苦戦。さらに、前半33分にはフリーキックをゴール前に入れられると、ファーサイドからのシュートを鈴木が弾いたところをFWファム・トゥアン・ハイ押し込まれてしまい、1-2とまさかの逆転を許した。

 それでも前半45分、MF遠藤航の縦パスに抜け出した南野がゴール右隅に流し込んで同点に。そして同アディショナルタイム、左サイドでボールを受けたMF中村敬斗は、切り返しで相手守備陣2人を振り切ると、そのまま右足を一閃して強烈なミドルシュートを決めた。

 日本は前半を3-2でなんとかリードして折り返し、後半はスコアが膠着。そのなか、MF久保建英は後半39分に投入された。サイドラインに立った瞬間、会場の雰囲気が一変。観客が沸き、同40分にはMF堂安律の横パスを受けた久保は左に捌き、FW上田綺世のチーム4点目をお膳立てした。

 アディショナルタイム含めて約10分の出場時間でピッチ上に久保建英という存在を刻み込んだ。“久保はここにあり”。違いを作る男の頼もしさを示した。

「結構、タフな展開で、前半のうちにアップして後半から行く、と。でも、2点入ったことで今じゃないというチョイスになった。出ても30分くらいの予定だったので難しい心の準備もあった。出ないかなと思ったけど、準備もしていたので。いい試合になって良かった。中でプレーしたらペースを上げきるところじゃなかったし、間でターンできるのは自分の特徴の1つで結果を出せて良かった。コンディションがあまり落ちていないのも確認できた。前回のゲーム(9日のヨルダン戦)に出ていないし合流も2日前。チームだったら流れの中で行けたけど代表なのでおっかなびっくりもあったので良かった」

 森保監督は久保を第2戦のイラク戦以降を見据えて起用したという。

「できれば少しプレーしてもらって次以降にどう起用するか考えたかった。残り10分くらい、プラス5分くらいのアディショナルタイムはあるかと思って15分か20分を想定していた。その中で1点リードからすぐにもう1点を奪うきっかけ作りをしてくれた。終盤の難しいところでギアを上げてくれた。戦術的にもチームとしてオプションになる起用ができた」

 ここから先、久保もピッチに立つ。そう証明されたことは森保ジャパンにとって大きな収穫だ。

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