本田が2014年を総括 ミランの10番としての自己評価は5段階の下から2番目

得点への意欲

 そして、数々の名手が背負ってきたミラン栄光の「10番」という立場についても本田は適応しつつあるという。
「立場の慣れ、ポジションの慣れはまたそれぞれ違う。このミランの10番をやるというのは立場として慣れなければやっていけない。メディアとのやりとり、ファンとのやりとり、対戦相手のやりとり、ピッチ上でのやりとりがある。まあ、自分が求めてきた。なかなかタフな部分もあるけれど、割と楽しんでいる。難しさがないと成長できない。自分はそういうタイプ。悩みながら試行錯誤しながら前に進んでいる実感があります」
 特別な立場に身を置くことで、他の選手以上のプレッシャー、批判を受けることもあるが、それも成長の糧と享受している。だが、現状でミランの10番としての使命を全うしているとは考えていない。
「結局、点を取らないとこのチームで、この10番としては生き残っていけない。もしくはアシストですよね。アシストでも評価される。このポジションで数字を出さないといけない。最後のゴール前でパスをもらう質。あとは味方が出すか出さないか。出すか出さないかは言及する必要はないけれど…1本2本しかないチャンスならばそれを取ってしまおうと、(今季序盤は)ゴールを決めてきた。1、2本のチャンスはあるけれど、きっちりマークされていると、モノにできていないのが、この10試合ぐらい。それでも1、2本のチャンスはある。それを決めていたか、どうかは、フリーかどうかの差。フリーじゃない状況はこれからも続く。警戒されているわけですから。そこでどう工夫するか。個人技ですよね。左足で打つのか、右足で打つのか。ヘディングで決めるのか。一瞬でマークをどう外すのか。いくつか駆け引きのやり方はある。それは練習で取り組んでいる。味方が僕を理解していれば取れていたな、という場面が10試合振り返っていくつかあった。W杯が終わって、これで進んで行くという、やり方、進んでいく方向は変えていない」
 1試合で最大2回のゴールチャンスを決め切るフィニッシュの技術、個人技を高めながら、ピッチ上で仲間との相互理解を深める。この2つのアプローチでゴールを再び量産していくことが本田のテーマ。それができなければ、ミランの10番として本田は生き残っていけないという。強烈な危機感を胸に本田は、2015年、再び走り出す。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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