高校サッカー強豪9校「最新格付け」 選手権準Vの近江、名門・市立船橋のランク査定は?

高校サッカー強豪の9校を格付け【写真:徳原隆元】
高校サッカー強豪の9校を格付け【写真:徳原隆元】

高校選手権でベスト16以上の成績を残した9チームの実力を独自で査定

 第102回の全国高校サッカー選手権は、青森山田(青森)の2大会ぶり4回目の優勝で幕を閉じた。今大会の成績を踏まえ、強豪校の実力を改めて精査すべく「最新格付け」を独自で査定する。

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 対象チームは、高校年代最高峰のリーグ戦であるプレミアリーグに所属し、今大会でベスト16以上だった5校(青森山田、昌平、市立船橋、神村学園、大津)、ベスト8以上進出の4校(名古屋、近江、佐賀東、堀越)を合わせた9校とする。

 今大会の成績やチームのポテンシャル踏まえ、SS~Cランクで格付け。また各チームの分析項目(攻撃力、守備力、勝負強さ)を5段階評価(最高が五つ星=★★★★★)で評価した。

【SSランク】

■青森山田(青森)/選手権成績:優勝

攻撃力:★★★★★(5)
守備力:★★★★★(5)
勝負強さ:★★★★★(5)

 高円宮杯U-18プレミアリーグ優勝で立証されたチーム力は、80分の短期決戦でもいかんなく発揮された。初戦の飯塚戦、準決勝・市立船橋戦ではPKによる辛勝だったが、チームとしての粘り強さを見せた。昌平相手に4-0の完勝、決勝での攻守の切り替えの速さと最終ラインからのビルドアップは見事だった。負けない、勝ち切るチームの底力を感じた。

【Sランク】

■市立船橋(千葉)/選手権成績:ベスト4

攻撃力:★★★★★(5)
守備力:★★★★☆(4)
勝負強さ:★★★★★(5)

 1回戦からの連戦で満身創痍だった状態で、優勝した青森山田と互角以上の戦いを見せた。今大会ではボールを保持しながら前進するサッカーを披露。準々決勝までは見せなかった個の強さが際立つサッカーにチームとしての幅を感じた。青森山田に勝っていたらSSランクだった。

■大津(熊本)/選手権成績:3回戦(ベスト16)

攻撃力:★★★★★(5)
守備力:★★★★☆(4)
勝負強さ:★★★★☆(4)

 3回戦で昌平に2-2からのPK戦の末に敗れてしまったが、攻守のバランス、絶対的エースのMF碇明日麻を生かした攻撃のレベルは高かった。トーナメントの“激戦ゾーン”に入っていなかったら、尻上がりに調子を上げて悲願の全国制覇を果たしていたとしても不思議ではなかった。

【Aランク】

■近江(滋賀)/選手権成績:準優勝

攻撃力:★★★★☆(4)
守備力:★★★★☆(4)
勝負強さ:★★★★★(5)

 サッカーのクオリティーはファイナリストにふさわしいものだった。連動性、前への推進力、攻守のアイデアが豊富で、全員がハードワークをするサッカーは爽快感すらあった。センターバックのDF金山耀太、DF西村想大、MF浅井晴孔は今大会屈指のタレントへと成長した。

■昌平(埼玉)/選手権成績:ベスト8

攻撃力:★★★★★(5)
守備力:★★★☆☆(3)
勝負強さ:★★★☆☆(3)

 準々決勝で青森山田に敗れた。攻撃力は選手層も含めて抜群のものがあり、1年生スーパールーキーMF長璃喜の大ブレイクなど、明るい話題が多かったが、守備面では空中戦の強さと冷静なカバーリングを持つDF石川穂高の不在を大きく痛感する結果となった。

有望な2年生が躍動した堀越、新年度に期待膨らむパフォーマンスに

【Bランク】

■神村学園(鹿児島)/選手権成績:ベスト8

攻撃力:★★★★★(5)
守備力:★★☆☆☆(2)
勝負強さ:★★★☆☆(3)

 MF名和田我空、FW西丸道人、DF吉永夢希と大会を通じて主役が大きく躍動した一方で、失点が多かった。3回戦の神戸弘陵戦では相手の揺さぶりに苦しみ、準々決勝の近江戦では湧き出るような敵チームの攻撃を食い止めることができなかった。

■堀越(東京A)/選手権成績:ベスト4

攻撃力:★★★☆☆(3)
守備力:★★★☆☆(3)
勝負強さ:★★★★☆(4)

 ベスト4進出は素晴らしい成績であることは間違いない。そのなかで攻撃陣が思うように力を発揮できなかった印象がある。だが、MF仲谷俊、DF森奏などの将来プロの道に進みそうな有望な2年生が多く、新年度における全国大会ではかなりの期待が集まる。

【Cランク】

■名古屋(愛知)/選手権成績:ベスト8

攻撃力:★★☆☆☆(2)
守備力:★★★★☆(4)
勝負強さ:★★★★☆(4)

 守備の硬さと粘りは素晴らしかった。MF原康介のスピードと、DF月岡陸斗のロングスローを軸に、今大会はかなり割り切った戦いとなったが、そのなかで選手たちがその役割を卒なくこなしたことで、初出場ベスト8という大きな成果につながった。

■佐賀東(佐賀)/選手権成績:ベスト8

攻撃力:★★★☆☆(3)
守備力:★★★☆☆(3)
勝負強さ:★★★☆☆(3)

 富山第一戦と堀越戦で見せたショートパスの組み立てから、両サイドのアタッカーを駆使した攻撃は鮮やかだった。飛び抜けたタレントがいないなかで、全体の戦術理解力と状況判断力で素晴らしい健闘を見せた。

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