森保J、アジア杯初戦の「有力スタメン&布陣」 遠藤航が欠場の可能性も…ヨルダン戦で“ヒント”浮上【現地発】

日本のスタメンは?【写真:徳原隆元】
日本のスタメンは?【写真:徳原隆元】

非公開でヨルダン代表と練習試合を実施、初戦のベトナム戦に向け調整

 今月12日に開幕するアジアカップに向けてカタール入りしている日本代表は1月9日、非公開でヨルダン代表と練習試合(6-1)を行った。試合後、森保一監督はメンバーについて、前後半で入れ替え、さらにトレーニングパートナー(TP)も使用したことを明かしている。

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 誰をどう起用したかを考えていくと、1つの大きな疑問が浮上してきた。まず試合前にウォーミングアップしていたメンバーから先発が推測されたのは次のメンバーだった。

(システムA)
      細谷
中村    南野    伊東
   守田    佐野
中山  谷口  板倉  菅原
      鈴木

 森保監督は負傷中の三笘薫(ブライトン)、冨安健洋(アーセナル)、久保建英(レアル・ソシエダ)を起用しなかったと明言し、さらに「今日、遠藤航(リバプール)はプレーしていない」と語っている。

 一方でコンディションが心配される上田綺世(フェイエノールト)と堂安律(フライブルク)については「怪我の再発をするとか、コンディションがさらに悪化するということを招いてはいけない」としつつも「コンディションを上げることも大切なので、見極めて起用しています」と明らかにした。

 つまり、後半はこの布陣が想像できる。

(システムB)
      上田
浅野    堂安    前田
   旗手    TP
伊藤  町田  渡辺  毎熊
      前川

 初戦を5日後に控えている段階で試した布陣ということで、初戦はこの前半の形がもっとも濃厚ということになるだろう。変動があるとすれば佐野の代わりに遠藤が入る可能性がある程度だろうか。

 システムは果たしてこのままか。2023年12月の合宿では4-2-3-1の形を試したものの、練習ではインサイドハーフ2人を置いた攻撃の形も行っていた。また7日の練習では4-2-4-1という12人の形を作り、4-2-3-1と4-1-4-1の2つのシステムに変化させながら動きを確認していた。

 つまり、こういう形も考えられる。

(システムC)
      細谷
中村  守田  南野  伊東
      佐野
中山  谷口  板倉  菅原
      鈴木

 しかし、ここで森保監督は過去、バランスの取れた4-2-3-1、相手の出方を探る時に使う守備に立ち足を置いた4-1-4-1、守備とサイドを重視した3-5-2というのを基本的なシステムの使い分け方法としてきた。ベトナム相手に慎重すぎる立ち上がりはしないのではないだろうか。となると、やはりシステムAが現時点で最も有力なメンバー構成になると考えられる。

 ただし、遠藤を使わなかった理由は見当たらない。ここが今回の一番大きな疑問点だ。

 出場経験で言うとボランチは遠藤と守田になる可能性が高くなる。もっともそうすると佐野と遠藤、守田との組み合わせをどの試合で試すのか、という別の問題が浮上する。あるいは遠藤は負傷を抱えてカタール入りしたのではないか。8日の練習後、遠藤は「今日はコメントしません」とミックスゾーンに現れなかった。これは何か問題が浮上したということだったのかもしれない。

 そうなると日本代表はリバプールで12月のMVPに輝いたキャプテンを欠いて開幕を迎えることになる。三笘、冨安、久保に続いてキーマンが起用できない事態になっているというのが、単なる杞憂に終わればいいのだが……。

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森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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