2年生まで出場なし→3年生で躍進 名門・青森山田のトップ下が明かす大会初ゴールの舞台裏「苦しい時期に…」【高校選手権】

青森山田の福島健太【写真:徳原隆元】
青森山田の福島健太【写真:徳原隆元】

決勝戦で先制点のMF福島が振り返る青森山田での3年間

 第102回全国高校サッカー選手権は1月8日に国立競技場で決勝が行われ、青森山田(青森)が近江(滋賀)に3-1で勝利。2大会ぶり4回目の優勝を果たした。先制点のMF福島健太は、全試合にスタメン出場しながら意外にも今大会の初ゴール。「高校最後の舞台でチームを勝利に導けて良かった」と笑顔だった。

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 今年度の高円宮杯U-18プレミアリーグファイナルを制した青森山田は2回戦から登場し、飯塚(福岡)をPK戦の末に下すと、広島国際学院(広島)、昌平(埼玉)を大差で下し、準決勝では市立船橋(千葉)との名門対決をPK戦で制した。そしてこの決勝の近江戦も含め、「13番」の福島はトップ下でのスタメン出場を続けた。エースFW米谷壮史が得点王争いをする一方で、準決勝まで13得点のチームにおける攻撃陣でゴールがなかった。

 ゴールこそなかったが、プレーが悪いわけではなかった。むしろ、前線でのプレスに参加し、トップ下として左右にボールを展開する起点や米谷にボールが入った時のサポートなど目を引くプレーは随所にあった。相手のボランチと競り合うことの多いセカンドボールの争いもよく顔を出していた。自身も「チャンスが来なくても、献身的なプレーをしてきたつもり。それが大事だと思ってやってきた」のだと話した。
 
 そんななかで迎えた決勝戦の前半33分、MF杉本英誉が右45度付近から左足で斜めにゴール前へ入れたボールを受けた福島がワンタッチコントロールから右足シュートを決めた。振り向きざまの一撃だったが、「いい形でボールを入れてくれて、あとは振り抜くだけだった。練習からコンパクトに打つことだけ意識してきた」と話す福島の一撃が大きな先制点になった。

 2年生までは試合への出場がなく、ベンチにも入れなかったのだと話す。一時は「苦しい時期に、もう報われないのかな」と思ったこともあったという。それでも、最後の最後に1つのチャンスをものにした。そして「(青森)山田でやってきた3年間は間違いじゃない。そのやるべきことをできたと思う。高校最後の舞台でゴールできて、チームを勝利に導けて良かった」と笑顔だった。

 大会期間中に自信の成長も実感したという福島は、京都産業大へ進んでサッカーを続けるという。大会を通じて数字以上の貢献度があった福島は、決勝のスコアシートに名前を残す資格は十分だった。

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