“J内定組”擁した静岡学園が2回戦敗退 PK戦で涙…指揮官が口にした悔い「後半から投入した方が…」【高校選手権】

静岡学園の川口修監督【写真:徳原隆元】
静岡学園の川口修監督【写真:徳原隆元】

2回の優勝経験を持つ静岡学園が敗退

 第102回全国高校サッカー選手権は12月31日に首都圏8会場で2回戦が行われ、浦和駒場スタジアムの第2試合では静岡学園(静岡)はPK戦の末に広島国際学院(広島)に敗れて姿を消した。川口修監督は「PKは仕方がない。その前に決着をつけなければいけなかった」と話した。

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 2年ぶり14回目の出場となった静岡学園は、両校優勝1回を含む2回の優勝経験を持つ。主将のGK中村圭佑が東京ヴェルディ、MF高田優が徳島ヴォルティス、FW神田奏真が川崎フロンターレに内定と注目を集め、29日の1回戦は明徳義塾(高知)に6-0で大勝した。そのなかでは負傷明けの神田のコンディションが厳しく、川口監督は先発を回避することも考えたとしたが、試合当日の午前中に本人と話したうえでのスタメン起用に踏み切った。

 前半からパスワークを武器にボールを保持して押し込んでいった静岡学園だが、最後のところでやらせてもらえない広島国際学院の守備に手を焼いた。前半21分に波状攻撃から高田がボレーで狙ったが、広島国際学院のGK片渕竣介が鋭く反応してファインセーブ。さらに前半31分にはパスワークで敵陣を崩し、MF庄大空がGKもドリブルでかわしてシュートを流し込みにかかったが、必死に戻ったDF岡田康誠がゴールライン上でクリアと惜しいところでゴールが生まれなかった。

 そうしたなかで後半9分にはカウンターから先制点を与えてしまう。ボールを持つ側のチームがこうして先に失点するのはサッカーの典型的な負けパターンの1つだが、そこでもブレることなくボールをつないで攻め込む静岡学園。同15分に最終ラインからのボールに抜け出した庄が距離を詰めてくるGKの頭上をふわりと浮かせたループシュートを決めて1-1の同点に追い付いた。

 さらに後半26分、ラストパスを受けた神田がGKと1対1の決定機を迎えるもシュートはゴールポストを直撃。川口監督は初戦で2得点しているエースについて「フルでできるコンディションではなかった。今になって思えば、後半から投入した方が良かったかもしれない」と、この点については悔恨の言葉があった。

 1-1の同点でもつれ込んだPK戦では2人が失敗。中村が1人ストップしたものの及ばなかった。川口監督は「PKは仕方がない。その前に決着をつけなければいけなかった」として、「あの守備をこじ開けて点を取るのは本当に難しい。それでも、こだわってやっている。ペナルティーエリア内のクオリティー、ドリブルの仕掛け、アイディアと3人目、4人目の関わりというのは信じてやってきた。これがスタイル。1点を取れたのは良かったが、次のゴールがなかなか。相手の守備も素晴らしかったけれども、点を取るというところは足りなかった」と、パスワークを生かした攻撃サッカーを貫いた選手たちを称えつつも、さらなる課題に目を向けていた。

 変わらぬ“シズガク”のスタイルで戦った全国は2回戦で散ることになったが、両サイドバックのポジション取りなど戦術的にも洗練され、随所に質の高さを見せたのも事実。負けてなお強さを感じさせる試合だっただけに、1点の遠さが悔やまれるものになった。

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