川淵三郎氏、日本スポーツ発展へ提言 「大谷や三笘が活躍したからと言って…」世間の“誤解”を指摘

川淵三郎氏(写真左)が日本スポーツ発展へ提言【写真:Getty Images】
川淵三郎氏(写真左)が日本スポーツ発展へ提言【写真:Getty Images】

文化勲章受章を祝う会に出席、子供たちの身体能力発展を強く望む

元日本サッカー協会(JFA)会長で2023年度の文化勲章を受章した川淵三郎氏が、11月30日に東京・国立競技場で開催された受章を祝う会に出席し、その後に取材対応した。そこでは「子供たちの身体能力を高めることが日本にとって大事だと理解されてほしい」と話した。

 現役時代は古河電工でプレーし、1964年の東京五輪に出場。引退後は日本代表の監督も務め、93年創設のJリーグ初代チェアマンで、その後はバスケットボールのBリーグや、競技麻雀のMリーグといったさまざまな分野で活躍してきた。

 川淵氏は取材対応の場で「スポーツしている人は、世の中の人は全部スポーツ好きだと思っているけど、頭からスポーツが嫌いな人もいる。身体を動かして走り回るのではなく、例えばウォーキングサッカーなんかは走っちゃいけない、タックルしちゃいけない、小学生と大人が一緒に試合ができるスポーツがどんどん発展している。今までの延長戦上でスポーツをする人を増やそうではなく、全くスポーツが好きでない人がやって見よと思うものをどう発明するか」と話した。

 そのうえで未来の日本に向けた提言として「日本のスポーツはレベルが上がったと世間には思われるだろうけど、それはトップアスリートの話で、草の根の運動能力が上がっているかというとそうではない。1985年くらいから比較すると、小中学生の調査からは落ちている。そういう子供たちの身体能力を高めることが日本にとって大事だと理解されてほしい。大谷(翔平)選手や三笘(薫)選手が世界で活躍したということだけに捉われるのではなく、草の根の子供たちが伸び伸びとスポーツをして、遊びを通じて身体が自然と鍛えられるというのをもっと多くの人が考えるべきで、それが日本に一番欠けている」と話す。

 プロスポーツ団体のトップを歴任してきた川淵氏だが、「日本のスポーツが発展すればいい、多くの人がエンジョイできればいい。トップアスリートのことはあまり言っていない。子供たち、草の根の人たちの遊び場、遊びながら自然と身体が鍛えられる世の中を作らなければいけない」と、その思いを話していた。

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