橋岡大樹、“痛恨失点”の前に鳴らしていた警鐘とは? 「やっぱり最後の最後、隙を見せちゃうのは僕たちの甘さ」【現地発】

シント=トロイデンでプレーするDF橋岡大樹【写真:(C) STVV】
シント=トロイデンでプレーするDF橋岡大樹【写真:(C) STVV】

シント=トロイデン橋岡が語っていた課題、第13節オイペン戦の終了間際に同点弾献上

 シント=トロイデンはベルギーリーグ第13節のオイペン戦で貴重な勝ち点3を手放してしまった。前半20分に相手のオウンゴールで先制点を奪い、シュート数16対5と主導権を握りながらも、後半アディショナルタイム4分にミロシュ・バントビッチに痛恨の同点ゴールを許してしまい、リーグ連勝を逃した。

 第12節モレンベーク戦では、最終的に日本代表DF橋岡大樹が終了間際に高い打点で叩き込んだヘディングシュートで2-1と勝ち切ったものの、オイペン戦と同様に終盤に一瞬のスキを突かれて一時は同点に持ち込まれていた。

 前節・モレンベーク戦後に橋岡は勝利を喜ぶとともに、失点に対して警鐘を鳴らしていた。

「今回も最後のところで失点しましたけど、ああいう失点が本当に今シーズンちょっと多いなっていうのはある。そこはかなり早急に改善していかないといけないなと思っています」

 点を取るしかない相手はどんどん前がかりに攻撃を仕掛けてくる一方、残り時間や試合状況によるプレッシャーが襲ってくるなか、不用意なミスを避けつつゴール前にボールを送るためにパワープレーを敢行してくる場面も少なくない。前節モレンベーク戦でも、相手は両サイドからアーリークロスを上げるしか手がなかったものの、シント=トロイデン側にミスが出て失点につながってしまった。

「(相手が)クロスを上げてくるっていうのは分かるので、クロスに対して相手とゴールの間にDFがしっかり入れば簡単に防げるシーンだった。そういったところで隙を見せないっていうのは、今シーズン、もっともっとやっていかないといけないところかなと思います」(橋岡)

 失点シーンでは右サイドからのクロスを簡単に許してしまい、ゴール方向へ向かってくるクロスをDFがヘディングでそらしたうえ、そのボールに対して相手の前でクリアもできず、ボールを収めた相手FWを振り向かせてしまうというミスが続いた。

「失点するまでは相手にチャンスっていうのをそんなに作らせなかったので、そういった部分では良かったですけど、やっぱり最後の最後、隙を見せちゃうのは僕たちの甘さだと思う。全員が本当に気を引き締めて、最後まで集中を切らさずにやるっていうのが、勝ちに向けてやらないといけないこと」(橋岡)

2試合連続4失点だったシント=トロイデンの守備は改善傾向、次にいかにつなげるか

「最後まで集中を切らせてはならない」というのはサッカーだけではなく、どんなスポーツにおいても永遠に語り継がれる常套句。プレーをしている選手なら何度も何度も聞いているし、口にしている言葉だ。集中を切らせてもいいと思いながらプレーしている選手はいない。だが、いろんなことを同時に、かつ連続的に注意しながらプレーしなければならないため、どうしても集中が切れる場面が生まれてしまう。だからサッカーは面白いし、怖いのだ。

 とはいえ、それまでの2試合で連続4失点だったシント=トロイデンの対応を考えると、攻守のバランスや守備時のケアなどイメージ共有が進んでいるのも確かだ。そして、ドタバタしながらもモレンベーク戦では最後に勝ち切り、オイペン戦でも追い付かれはしたが負けはしていない。こうした結果や流れをどのように解釈し、次につなげていくかが重要なのだろう。

「(モレンベーク戦では)1-0から1-1に追い付かれても勝てた。直さないといけない改善点を見つけながら勝てたという点で、ものすごくでかい。気を抜かずにしっかりいい流れを作って、その次のリーグ戦にもまた臨んでいけたらいいなと思います」(橋岡)

 モレンベーク戦後にそう話していた橋岡。オイペイ戦で勝てていれば申し分なかったが、すべてが思いどおりに行くわけではない。次の試合に向けてやるべきことを整理し、この日取り逃した勝ち点を獲得していきたい。

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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

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