横浜FMは正念場、勝利もMF水沼宏太が厳しい言葉を並べた訳 「何よりも…」

先制ゴールの水沼宏太【写真:2023 Asian Football Confederation (AFC)】
先制ゴールの水沼宏太【写真:2023 Asian Football Confederation (AFC)】

フィリピンのカヤFCに勝利

 横浜F・マリノスは10月25日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループG第3節でフィリピン1部カヤFCと横浜国際総合競技場で対戦し、3-0で勝利した。

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 負傷者続出で本職のセンターバックが不在となり、普段とは異なる3バックで試合に臨んだ横浜FMは、全員が引いて守るカヤFCの守備を崩すのにも苦しんだ。それでも、前半35分にMF水沼宏太が先制ゴールを挙げると、後半27分にはFW杉本健勇、さらに後半アディショナルタイムにはFWアンデルソン・ロペスもゴールを決め、3点差をつけている。

 先制ゴールを挙げた水沼は、試合後のミックスゾーンで「内容も全然だし、それぞれのミスも多いし、何よりもアイデアが少なすぎるのは一番の課題です。それはリーグ戦でも同じことが言えますが、押し込んだなかで、どういうアイデアを出すか。距離感もそうだし、3人目の動きもそう。ただ単純に放り込む、単純に裏を狙いに行くだけで、何かアイデアが少なかったとすごく感じていました。それでも勝つことができたのはすごく良かったです」と、厳しい言葉を並べつつも、勝利に安堵して言葉を続けた。

「あそこまで引いてくると、なかなか難しいですし、上から見ている以上に、やっている選手たちは難しさを感じていたと思うんですけど、あそこまで固められると『どうしようかな』と考える時間は間違いなくある。でも、それが長過ぎたのが今日のプレーだった」と、先制点を取るまでに時間を要したこと以上に、チャンスを作り切れなかったことも課題に挙げた。

 そうしたなか、右サイドで先発した水沼は相手を混乱させる動きで先制点を挙げた。右サイドから中に入り込み、相手の最終ラインを破ってFWエウベルのロビングのパスにヘディングで合わせた。また、後半36分にもMF山根陸の浮き球を受けると、左サイドからGKの頭上を抜くテクニカルなシュートを決めたが、こちらはオフサイドと判定された。

「あれ(先制点の場面)もエウベルにずっと『狙っているから出してくれ』と言っていました。なんか『ポーン』ってなって入りましたけれど(笑)。イメージ的にはあれを狙っていたので入って良かったです。ああいうイメージをお互いが信じあって、共有して、成功体験につなげることができれば次につなげられると思う。今日の僕自身はその点と、オフサイドになった部分と、あと何回か、自分のなかで自分ができることのイメージを共有しながら進んでいくことが何個かできたと思います」

 この2つの場面はVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)チェックが長時間入るほど、ギリギリのところで最終ラインの裏を突く動きでチャンスを作った。水沼は「ギリギリのところはいつも狙っています。そこで出てくる、出てこないは出し手の問題もあると思います。僕自身は常にあそこを狙っている。そこでオフサイドになる、ならないは運みたいなところもありますが、結局1点は入って、1点は入らなかったのですが、ちゃんとゴールにつなげられたことは、僕自身は2点取った気持ちでいるので、常に狙い続けたいと思っています」と、継続していくと話した。

 ACL第2節の山東泰山(中国)戦(1-0)でも、唯一のゴールを挙げて2試合連続ゴールとなった水沼。ACLで強さを見せているが、「秘訣はないですが、ACLとかはすごく楽しい。相手の心理状況とか、どういうことを考えているのか、何がしたいのかを見ながらプレーするのが自分は好き。それがアジアの戦いになるとわかりやすいところもあります。そういう意味では裏を取れたり、相手の逆を取れたりすることが多くなっていると思います。自分自身はアジアに強い自負はありますし、アジアチャンピオンに何回かなりましたし、ACLにも出ているので、ほかの選手たちより少しは経験があるのもあるので、それをチームに還元できればいいかなと思ってやっています」と、活躍できている理由を語った。

 2連勝したことで、グループステージ突破に近づいた横浜FM。この後、連覇の可能性を残しているリーグ戦の戦いも続くが、シーズン終盤、さらにACLの今後の戦いでも、水沼は大きなチームの力になってくれるはずだ。

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